帝人Gが本格操業開始/三原でバイオマスボイラー

2008年10月23日 (木曜日)

 「環境経営」を進める帝人グループの高機能繊維事業の中核企業、帝人テクノプロダクツがこのほど、三原製造所(広島県三原市)に設置したバイオマスボイラーの本格操業を始めた。バイオマスボイラーによる発電電力は三原地区にあるグループ企業への供給や外販をし、CO2排出量を年間3・3万トン削減することができる。

 同グループは、国内CO2排出量削減を、中期目標として2010年までに1990年対比10%以上、長期目標として2020年までに1990年対比20%以上掲げる。バイオマスボイラーの設置はその一環で、約23億円を投資し2007年3月には設備が完成、試験運転を続けていた。

 本格操業するバイオマスボイラーは建築廃材、製材くず、樹皮など木質バイオマスや、使用済みタイヤなどリサイクル燃料を利用する循環流動層ボイラーで、ボイラーから発生する蒸気を既設タービン発電機に送り、利用する。これにより三原製造所でのバイオマス燃料の使用比率は全発電用燃料の23%(残りは石炭)となる。

 三原製造所では発電電力の60%を外販。この外販分は、RPS法(電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法)の新エネルギーの発電電力として登録している。バイオマスはカーボンニュートラルであり、本格操業でCO2排出削減量は3・3万トン、電力外販分を控除した場合、1・3万トンとなる。