環境変化に対応・インターテキスタイル上海2008(5)高付加価値品の提案進む

2008年10月31日 (金曜日)

 【上海支局】副資材では高付加価値品の提案が進んだ。YKKグループの中国法人、上海YKKジッパーは高級ライン「エクセラ」などを紹介。光沢研磨のジッパーで、通常品の中心価格帯が5元(1元は約14・5円)に対し、エクセラは45元である。

 中国では「YKK」ブランド、ローカル向けの「ARC」を展開する一方、欧州高級ブランドがイタリアから中国に生産地を移す流れの中で高級品の需要も増えているという。高級ラインは銅製のエクセラ、アルミ製の「ルミナ」があるが、今回展では中国生産も行っているエクセラを重点提案した。蘇州にジッパーを作る機械の工場を持つことも品質・技術面での強みになっている。

 テンタックはブース外側で転写マーキングの実演を行い、内側でタグ、ブランドネーム、ケアラベル、パッケージなどを展示した。転写シートはユニフォーム用からデザイン性の高いものまで幅広くそろえ、(1)半製品・製品など色々な形態に対応できる(2)刺繍のように肌側に糸が走らない――などから高い注目を集めた。実演には多数の人が集まり、ブース内に人を呼ぶ効果もあった。

 商談では生産拠点についての問い合わせが増え、日本、上海、青島、タイ、香港の各拠点を紹介。上海、青島については品質面での安心感・信頼感を説明した。また、最近の傾向として安全性に対する要望も増えているという。

 レースではルシアンの現地法人、淅江嘉興露香紡織が出展。今回展では欧米客を対象にしたレースを多めに展示した。訪問客数は日本からが減少したが、欧米は例年並みだったという。とくに捲縮加工などの後加工品が注目を集めた。

 日東紡は接着芯地と「C・S・Y」を出品した。接着芯地は環境、機能、技術の3テーマに分けて紹介し、超薄手素材対応シミ出しキラツキ防止芯地、撥水・コーティング素材対応芯地、ノンホルマリン芯地、エコテックス対応品、バンブー芯地などをそろえた。日東紡〈中国〉の商品が中心。独自性を出そうとする企業が増えるなか、芯地も特徴的な商品を求める傾向にあるという。

 田幸は毛芯と接着芯地を出展。日本製に加え、内モンゴルの東勝田幸の商品も訴求した。経方向、緯方向とも伸縮性を持たせた接着芯地などの新商品を紹介。メンズ主体の販売で、中国市場では「差別化のための日本製」として注目されたという。

 主催者であるメッセ・フランクフルト〈香港〉によれば、4日間の来場者数は82カ国・地域からの約4万9000人だった。昨年実績の98カ国5万4148人からちょうど1割減少した。世界的な景気後退を反映して、海外客が減ったようだ。出展者数は30カ国2559社(中国1826社、海外733社)であり、昨年の2003社(うち海外609社)から3割近くも増えた。出展者増と来場者減のギャップが大きい。

 もっとも、出展者によっては、全体が減っても自社ブースへの来客は増えた場合もある。来客数が減った出展者でも、実質的な商談の密度は高くなり成果が上がった――ケースが見られる。従って、単純な結論は出せないが、環境の悪化が見本市に大きな陰を落としていることは否定できない。

 「インターテキスタイル上海アパレルファブリック」は来年も10月20~23日、上海新国際博覧センターで開かれる。うち20日はスペシャルバイヤーズデーとなる。