東洋紡/スーパー繊維を中国で拡販
2008年11月05日 (水曜日)
【上海支局】東洋紡は中国市場で高機能繊維の販売を伸ばしている。PBO繊維「ザイロン」はアルミの押し出し成型ラインの耐熱ロール、PPS繊維「プロコン」は石炭発電所などでの需要が伸びている。今後も需要拡大が予想される中国での拡販を計画。新販路の開拓には東洋紡スペシャルティズトレーディング(STC)との協働で取り組む。
プロコンは耐熱性などの特徴を生かし、火力発電所のバグフィルターなどに使われている。中国では石炭による発電所が多く、煤煙防止に適するPPS繊維の需要が伸びているという。今年度の販売量は前年比10%増の2000トンを計画。とくに年率15%の成長が予想されている発電所関係などが好調に推移することから、販売数量は計画通りに推移している。今後も発電所、セメント工場、ゴミ焼却場などで拡大を狙う。
ただ、ローカルの参入などで価格面が抑えられたことが、利益面に影響している。今後に向けて、フェルト、紡糸での生産効率向上を進めている。また、商品面では1・9デシテックス(T)の細繊度(通常品は2・4T)、Y字断面などの付加価値品を投入している。
ザイロンは中国での建設用途での需要が拡大する中で、アルミの押し出しライン、ガラスの成型ラインなどで需要が増えている。これらの用途で多かったパラ・アラミド繊維に対して耐熱性などの面での優位性を訴求し、販売を伸ばしてきたという。このほか、耐熱性を生かした消防服、耐熱手袋、反発性を生かしてラケットのガットや卓球ラケットの部材などでも使われており、今後は新用途開拓にも力を入れる。
このほか高強力ポリエチレン繊維「ツヌーガ」の販売も計画する。同社の「ダイニーマ」と同水準の耐切創性を持つため、安全手袋などの用途を考えている。