東レ・春夏スポーツ素材/より高機能、軽量化を追求/「フィールドセンサー」進化版投入

2008年12月04日 (木曜日)

 東レのスポーツ・衣料資材事業部は、10春夏スポーツ素材で消臭、高通気、吸汗速乾を“スペシャルファンクション”ととらえ、高通気・吸汗速乾素材「キュービックセンサーEX」、消臭素材「ムッシュオン」などの拡販を進めるとともに、新たに吸汗速乾素材「フィールドセンサー」の進化版を打ち出す。

 ニット素材で新たに開発したのはトップアスリートへの提案に特化した「フィールドセンサーDXフォーシリアスアスリーツ」。従来のフィールドセンサーに比べ、通気性が2・5倍、重さが3分の2と、糸と編み構造により高通気性、軽量化を実現した。「コミュニケーションツールとしてスポーツが見直されている」なかで、快適と感じられる高機能と高感性をバランスよく併せ持つ素材の開発を重視した。

 春夏必須となるUVカットでは「フィールドセンサーUV」を投入。フルダル糸を使うことで、後加工と違って半永久的なUVカット機能を持つうえに、通常220グラム/平方メートルから180グラム/平方メートルへの軽量化に成功した。「日焼けの一番の原因」とされるB波の遮へい率を図るUPF基準をもとに、最も遮へい率が高い数値である「50+」から、低い数値までロケーションに合わせた提案が可能だ。

 一方、織物では肌面のドライ感(濡れ戻り軽減)を特徴とした吸汗速乾織物キュービックセンサーEXを提案する。同シリーズの最高峰として原糸から織組織、加工技術のそれぞれを改良し、汗処理機能はそのままで、高い通気性を加えることで、最適な快適性を追求した。

 09秋冬から展開する4ウエーストレッチ織物「フレックススキン+(プラス)」では、100グラム/平方メートルから81グラム/平方メートルへとより軽量化に成功。シャツ地など用途展開を広げるとともに「人体での皮膚伸長率とウエアに求められる快適なストレッチ性を数値で示した」ことで、提案に説得力を持たせた。

 ほかにも汗によって発生するアンモニアなどのにおいを10分間で80%抑制できるナノスケール加工技術による消臭素材「ムッシュオン」なども春夏向け提案の重点素材。同社はスポーツ素材展示会「2010春夏 東レスポーツメッセージ展」を8~10日に東京都中央区の東京本社で実施する。