21世紀へ!エナジ-/クラボウ奥野茂範常務
1999年02月03日 (水曜日)
--昨年五月に大幅な機構改革を行った。
体制はほぼ固まった。組織を作る、その精神を理解し周知徹底する、実際の仕事に結びつくと、三段階あれば、現在は中間段階。今年は、機構改革の精神を周知徹底、実際の仕事に結びつける年と言える。組織は号令でできるが、問題は魂。仏作って魂入れずと、ならないように取り組む。
--改革の骨子は。
管理機能、商品企画機能の強化に向けて業務部を販売企画部に改称、技術開発グル-プを事業部長直轄から、生産技術部に組み入れた。また、コストダウンの追求、短納期・小口化対応力の強化、複合素材化に向けた設備投資も行う。生販一体化に向けては、木曽川工場に原料原糸販売の拠点を置いた。ひとことで言えば、工場の競争力を上げ、営業力を強化することだが、その中身が問題だ。
--というと。
例えば、生産の納期の問い合わせに二十四時間要していたら、それを一時間でできないか。どのように工場の設備投資を進めても、納期管理が進んでいなければ仕事はこないし、機械を生かしきれない。スピ-ドが勝負の時代だ。営業力の強化も同じ。SPAやヤングの新規顧客を開拓するにしても、開拓するための環境整備がいる。
--環境整備。
短納期化が進み、QR対応のフォロ-にますます時間を取られている。また、一億円の売上高を上げるのに昔十時間かかっていたら、今は三十時間は必要だ。これでは、新規開拓の時間を生み出せない。そうなると営業マン個々の時間管理・効率化が重要になる。方針はあるのだから、それを具体化するための業務革新を行っていく。こうした具体的行動が今後の羊毛事業部の明暗を決める。今年前半で細部を詰めて、業績に反映していきたい。
--来年度から二カ年計画「マネ-ジメント・プラン(MP二〇〇〇)」が始まる。
--策定中の「MP二〇〇〇」では、事業の選択と集中による質的充実を目指しており、羊毛事業部としても事業領域・商品の見直しを行う。当社は婦人物、複合素材、機動力などに強みがある。こうしたプラス部分を伸ばしながら、弱い部分にはメスを入れる。グロ-バルでは、美創毛紡織の中国国内での販売が課題だ。