ゴールドウイン×東レ/ナイロン6で循環リサイクル/09秋冬製品から開始

2009年02月13日 (金曜日)

 ゴールドウインは12日、東京で会見を開き、東レとの連携でナイロン6を使用した繊維製品の「循環型リサイクル・システム」を09秋冬から開始すると発表した。既に同システムで展開しているポリエステル製品と合わせ、3~4年後をめどに、現状の15%から50%まで循環型素材使用の製品を拡大する計画だ。

 同社は「GREEN IS GOOD」を環境配慮型製品の開発コンセプトとして掲げている。09春夏からは、帝人ファイバーと旭化成せんいとの協働で、ポリエステル製品の回収と再原料化する取り組みに着手。スポーツ用品メーカーの立場から、エコ素材や環境負荷低減のデザインを開発することで、環境問題に対し積極的な展開を試みている。

 今回の取り組みでは、同システムに対応する商品を販売後、使用済みの対象商品を同社直営店や協力店舗で回収。東レは回収循環型リサイクル・システム「CYCLEAD(サイクリード)」を活用し、名古屋事業場でナイロン繊維に再生、再びゴールドウインの製品として循環させる。

 同シーズンのナイロン6を使用した循環型製品としては、「ザ・ノース・フェイス」定番のコンパクトジャケットで展開する。メンズやレディースのほか、キッズ用途の主力商品として販売を計画するが、今後は「ヘリーハンセン」や「ラテラ」、「エレッセ」など「横断的な取り組みとして循環型商品の拡大を図る」(渡辺貴生取締役アウトドアスタイル事業本部長)考えを示す。

 一方、今回初めてサイクリードを利用したケミカルリサイクルに取り組む東レは、ナイロン6原料を石油から生産する場合に比べ、消費エネルギーの節約量と二酸化炭素(CO2)の排出量をともに70%削減することのできる利点を強調。「両社で環境問題に対し強いメッセージを発信していきたい」(首藤和彦スポーツ衣料資材事業部部長)と、両社の関係強化に注力する方針だ。

 今後は直営店のほか協力店舗での回収ボックスの導入を進め、製品を返却した消費者に対してはプレミアムワッペンなどノベルティーグッズの配布を計画している。