住江織物×帝人ファイバー/自動車向け資材で合弁

2009年04月01日 (水曜日)

 住江織物と帝人ファイバーは3月30日、自動車向けシートと天井材向けのファブリック事業を展開する合弁会社を設立することで合意し、合弁契約を結んだ。ファブリックメーカーと素材メーカーの垂直統合による本格的な協業は業界初の試み。効率経営を推進し、製造・販売一体型のファブリックメーカーとして高収益事業構造の実現を目指す。

 合弁会社の名称は「スミノエ テイジン テクノ株式会社(仮称)」。会社設立日は12月1日で、本社は住江織物大阪本社に置く。資本金は4億5000万円。出資比率は住江織物が50・1%、帝人ファイバーが49・9%。住江織物の海外事業を除くカーシート事業と帝人ファイバーの100%子会社、帝人テクロスとその完全子会社、尾張整染の全発行済株式の継承を含め、同社のカーシート向けファブリック事業を統合する。社長には住江織物の吉川一三社長が就任する予定。

 同日夕に会見した帝人ファイバーの唐澤佳長社長は、今回の合弁会社設立について「ファイバーやテキスタイル事業だけでは利益を生み出すことが難しく、自動車メーカーや消費者に近い場所でビジネスを行う必要がある」と最終ユーザーのニーズの把握をした開発体制の構築に意義があると強調。さらに「テキスタイルは第一段階目の取り組み。今後は自動車の部材をモジュール化して提案することも可能」と述べた。

 また、新会社の吉川社長は「5年後には売上高200億円、国内トップシェアの40~45%を目指したい」と、将来的には原糸から製品までの一体型による「グローバルナンバーワンのカーシート・ファブリックメーカーの地位を確立したい」と話している。

解説/既存ルートの対応に注目

 今回のカーシート地合弁により住江織物はカーシート地で最も重要な染色加工の機能を有することになる。住江織物は一部を除きカーシート地生産は外部委託している。それだけに、帝人テクロスとその子会社の尾張整染の生産機能を有することはメリットになる。

 帝人ファイバーにとってカーシート地は最重点用途であり、現在は大きく落ち込んでいるものの、ポリエステル長繊維の最大用途でもある。優れたデザイン能力と高いシェアを持つ住江織物との合弁会社を設立することで、よりニーズを反映した開発が可能となる。

 ファブリックメーカーと素材メーカーの垂直統合による本格的な協業として注目されるが、住江織物は小松精練とのカーシート地染色合弁であるケイズテックのほか、既存の外注先もある。そこへの発注量は減るのかどうか。

 また、帝人テクロスは住江織物と競合する龍村美術織物エーアイ、寿屋フロンテという主要取引先への対応はどうなるのか。さらに、今回の合弁に同じくカーシート地を主力とする帝人ネステックスがなぜ含まれていないのか。今後の対応が注目される。