伊藤忠システック/ドルニエの汎用性提案/中伝毛織でオープンハウス

2009年05月19日 (火曜日)

 伊藤忠システックは14、15日の2日間、尾州産地の中伝毛織でオープンハウスを開催し、このほど同社が輸入元となったドルニエの新鋭レピア織機「タイプPTS」を提案した。積極レピア方式による異種異番手緯入れなど汎用性をアピール。2日間で約200社450人が来場する大盛況だった。中伝毛織は現在、PTSを6台導入している。

 今回実演提案したのは、すでに中伝毛織が実戦稼働させている6台で、筬幅230センチ、ストーブリ製ドビーを搭載。耳組方式としてレノ装置とタックイン装置併用式を採用している。また、1台はストーブリ製ネームジャカード搭載だ。稼働は毎分400回転前後で行い、5台は中伝毛織が受注しているスーツ地などの製織を行い、1台はドルニエの汎用性を見せるために太番手意匠撚糸の緯入れを行い、来場者の注目を集めた。

 すでにドルニエを活用したモノ作りを行っている中伝毛織の中島幸介社長は「ドルニエを導入してエアジェット織機と置き換えを進めて正解だった。現在6台はフル稼働。やはりこれからモノ作りは、汎用性のある織機でなければ難しい」と話す。実際の稼働を担当している山波孝夫取締役生産部長兼工場長も「当社が目指すモノ作りの方向性の延長線上にあったのがドルニエの織機。実際に万能機として活躍している」と性能に太鼓判を押す。

 伊藤忠システックの西村貞昭繊維・産資機械本部繊維機械部長は「当社は技術本部を持ち、技術者12人がいる。6人が繊維機械担当で、うち3人が織機担当。これだけ充実した技術スタッフを持ち、(改造やメンテナンスなど)技術フォローまでできる点が他の商社とは違う」と強調する。今後も同社が輸入販売する他の繊維機械同様、ドルニエの提案にも力を入れる方針だ。