東レ合繊クラスター/繊維復権めざし前進
2009年06月09日 (火曜日)
「東レ合繊クラスター」の中山賢一会長(小松精練会長兼社長)ら首脳は5日夕、福井市内で開かれた第5回定時総会後に記者会見し、中山会長は設立後4年半を経過した活動について、「本格的な産業クラスター形成に近づいた」との評価を示し、購買・物流の取り組みで「研究から応用の段階にあり、成果を引き出す」考えを明らかにした。
会見には荒井由泰(ケイテー社長)、光川幹雄(ミツカワ社長)、宮本徹(丸井織物社長)の3副会長と東レから橋本和司リーダー(常務テキスタイル事業部門長)、大河原秀康サブリーダー(常務技術センター・生産本部担当)らが出席した。
中山会長は、このほど立ち上がった「北陸3県繊維産業クラスター協議会」会長に就いたことに関連し、「(両者が)連動していくところが多いと思う。繊維産業をけん引する両輪と期待している」と語った。
また、昨年から第3ステージに入った技術開発や新商品開発への取り組み、人材育成を加えたクラスター活動の経過を報告。「ほぼ完成形の輪郭が見えてきた」と述べ、「マーケットを意識した活動を推進する。トータル競争力の強化策では購買・物流の効率化シミュレーションを行い、繊維産業の枠を越えた難易度の高い挑戦に取り組む」とした。
荒井副会長はこれまでの活動成果について、「市場への投入案件は12件。アレルバスターは08年度累計で200万メートル、ホクリンクは2000万円以上、超軽量のスーツケースは約300個の注文を受けている。あと評価を求めている商品もある」と紹介した。
橋本リーダーは「バーチャルカンパニーとして、手応えを感じている。名実ともに機能を発揮できるよう、全力で支援していく」と強調した。大河原サブリーダーは「究極は繊維産業の復権だ。何をするか。選択肢はいろいろある」と述べた。