ひと/東レの機能製品事業部長に就いた・木村 寛氏/ユーザーニーズを重視する
2009年06月25日 (木曜日)
東レに入社し、配属されたのが当時の製品事業部。そこでカジュアル、紳士、スポーツなどの製品を扱う。その後、官公庁向けの特需担当となり、ユニフォームの世界に入った。
6月に機能製品事業部長に就任し、あいさつ回りが続いた。ユニフォーム業界はある面、産業界の映し鏡だ。「市場全体として昨年比20%減くらいか。ワーキングは厳しく25%減、オフィスも20%減。学生服は微減で済んでいる。サービスはまだら模様。外食分野は消費者の節約志向の影響を受けている。しかし、パーラーは前年比プラス。白衣も5%減で健闘している方だ」と分析する。
いつか景気は回復するだろう。しかし、「回復しても風景は大きく変わっている」とみる。100の市場規模がそのまま戻るとは考えにくい。
このため、「日本のユニフォームが世界に冠たるものであることを、海外にアピールしたい」とし、欧州での展示会出展を検討する。素材展というより、専門分野の展示会に素材提案する形を構想。「日本の機能素材・製品を海外でアピールすることが、業界活性化につながる」と仕掛ける。
仕事で重視しているのは、「ユーザーのニーズ」、マーケティングだ。用途が幅広いユニフォームだけに、それを使う人が何を求めているかは顧客ごとに異なる。「不況だからこそ、顧客ニーズに」正面から向き合う。
趣味は靴。「職人が作った手作り感のある靴があると、衝動買いしてしまう」。そうした靴を丹念に手入れする時間も楽しんでいるようだ。
きむら・ひろし
1985年慶大卒、東レ入社。2001年4月製品事業部特需課長、02年6月から、機能製品事業部特需課長、09年6月機能製品事業部長。48歳。趣味は靴。