逆風の中で・テクテキスタイル訪問記(3)新参組は顧客開拓重視

2009年07月01日 (水曜日)

 展示会で新商品を出品する。テクテキスタイルでは出展回数が少ない、あるいは初出展企業ほどその傾向が強い。そう考えると、テクテキスタイルへの出展の目的は日系企業でも違いがある。

 2007年に続いて2度目の出展となった旭化成せんい。今回は不織布事業部単独の出展で通訳を含め日本人10人の大所帯だ。「ザ・ワールズ・オンリー・ノンウーブンズ」のテーマを掲げ、同社の独自不織布をすべて見せた。5月に中国上海で開催されたアジア不織布産業総合展示会・会議「ANEX09」で初披露されたPPS(ポリフェニレンサルファイド)不織布をテクテキスタイルでも出品した。PPSをスパンボンド不織布(SB)やSBとメルトブロー不織布(MB)で挟んだSMS化したもの。

 不織布技術開発部の前田昌彦SFF開発担当総括によると、SBの単糸は8ミクロン、MBは2~3ミクロン。生産目付は20~30グラ ムを中心に、10~200グラムまで対応し、熱圧着による不織布化した。3月に完成したセミコーマシャル機(1メートル幅)で生産する。

 狙うのは石炭ボイラー向けのバグフィルター代替。カートリッジフィルターにすることで、筒状のバグフィルターに比べ薄くコンパクトになる。

 スパンボンド営業部の大久保信章貿易担当総括は「世界の不織布市場は伸びている。そこで新規顧客を開拓する」と強調。数%にとどまる輸出比率を独自不織布で引き上げながら拡大を図る考えを示す。

 キュプラ長繊維不織布「ベンリーゼ」も医療用以外での欧米輸出はほとんどない。それだけに世界唯一の不織布であることをアピール。同社は世界的にも珍しいポリエステル、ナイロンMBも有する。自社の白血球除去フィルター「セパセル」に使用するが、それ以外の開拓に向けてテクテキスタイル展に出品した。

 展示構成はブランドよりも各不織布の物性を前面に打ち出した形。いかに独自性ある不織布なのかを明確にした。そして、同社ブースのテーブルには「ジョイン・アワ・グローイング・ビジネス」の文字が。欧州でのパートナー探しに重点を置く姿勢がよく分かった。