ひと/伊藤忠商事繊維カンパニーブランドマーケティング第二部門長に就いた・石井和則氏/短距離から長距離走までこなす
2009年08月24日 (月曜日)
入社以来、業務部時代を除いて繊維では車両、建築、土木など資材貿易畑を歩んできた。しかし、直近の4年半過ごした事業会社では全く違う文化を経験することになる。2005年2月に月星化成(現ムーンスター)と共同で設立したコンバースフットウェアの副社長に就任。そこで初めてファッション関連の仕事に携わる。
「コンバース」シューズが業容を拡大していくなかで、コンバースフットウェアの経営を切り盛り。「ファッションはうまくいけば短期間で結果が出るが、産業資材は結果が出るまで時間が掛かる」と双方のビジネスの違いを痛感。「まさにファッションが短距離走なら、資材は長距離走のビジネス」と指摘する。
07年4月には服飾雑貨卸の川辺に出向、常務として経営全般を補佐するとともに、販路開拓やブランドライセンス業務などファッションビジネスに対する感覚をさらに磨いた。「全く違う分野の経験が、自分自身の幅を広げてくれた」。その経験は今後、ブランドと資材という一見異分野のビジネスを展開するブランドマーケティング第二部門でいかんなく発揮されるだろう。
これまでの仕事の中で経験した危機をどう乗り越えたかという質問に対して「実はあまりそういった経験がないんです」と、岡藤正広副社長・繊維カンパニープレジデントと同じ返し方。心強さを感じる。
趣味はスポーツ、球技が全般的に得意で、小学校は野球、中学・高校はサッカー、大学は軟式野球に没頭。「今はけがをするから」とゴルフのみ。ただ、縁遠くなってしまった茶道を再開したいと考える。「無になる瞬間がたまらなく好きなんです」と、活発なイメージのなかに時折落ち着いた一面ものぞかせる。
いしい・かずのり
1981年入社、2005年2月コンバースフットウェア副社長、07年川辺常務、09年7月から現職。50歳