シキボウ 生活資材部/側など製品展開奏功側など製品展開奏功

2009年09月30日 (水曜日)

 シキボウの生活資材部は今上期、寝具・寝装市況が厳しさを増すなかで、前年実績を維持する見通しだ。宮本勝啓生活資材部長によると、テキスタイル販売中心から側など製品展開を進めてきたことと、雑貨をはじめとする新分野の構築が奏功している。これらの施策により、下期もほぼ横ばいを維持したい考えだ。

 寝装・寝具向けはすでに、製品展開が55%とテキスタイル販売と逆転した。側のほかシーツカバーなど小売店への直接販売もある。

 側展開は3~4年前に発足した。中国の子会社の湖州敷島福紡織品(スクリーン捺染機1台体制で、月産45万~50万メートルの規模)で、捺染を施し、同じく中国子会社の上海敷島家用紡織で縫製するもの。

 湖州敷島福紡織品では羽ふとん用の側地も生産する。技術者2人を常駐させており、シキボウ本体で開発した機能加工品をいち早く移管できる体制を組み「メードイン・シキボウ」として、日本品質での供給が需要家に評価されていると分析する。

 今上期からは湖州敷島福紡織品の独自開発品「フルーリア」も発表した。優れた発色性や型際がくっきりシャープな仕上がりで、鮮やかな中濃色が特徴で、すでに大手寝具問屋が今春夏展でフルーリア使いの製品を展示していたが「今秋冬向けから横に広げていきたい」とする。

 ただ、寝装・寝具市場は縮小傾向にあるため、その他分野の拡大も進める。かつて寝装・寝具以外の比率は1割しかなかったが、現在は3割まで高まっている。これをさらに引き上げる。そこでも湖州敷島福紡織品と上海敷島家用紡織が拠点となる。

 上海敷島家用紡織は従業員数約100人。昨年生産能力を5割増の月産5万枚(カバー換算)に拡大した。側以外ではクッション、エプロン、ミトンなどを手掛けている。