反転攻勢・商社繊維部門4~9月期決算に向けて(2)大手商社 (2)

2009年11月25日 (水曜日)

伊藤忠商事/通期純利益210億円へ

 伊藤忠商事繊維カンパニーは売上高が前年同期比14・9%減の2443億円、売上総利益は同2・9%減の455億円、営業利益は同29・1%減の76億円、純利益は同46・3%減の71億円だった。純利益の71億円は期初の計画を超過達成したもので、岡藤正広副社長繊維カンパニープレジデントも「まずまずうまくいった」と健闘を評価する。

 主力事業のひとつ、アパレル製品OEM事業はコスト削減を徹底したことにより利益面で寄与した。上期はマルコ、川辺、ワタキューセイモア、中国の大手レディースインナーメーカー・大連雅文内衣の4社に出資、持分法適用会社としたことが利益の伸びに貢献した。下期も数件の投資案件が進んでおり、通期の計画である純利益210億円達成を視野に入れる。

三菱商事/MCFにOEM機能統合

 三菱商事の繊維本部の連結業績は繊維市況悪化の影響を受けて、売上高が前年同期比21・7%減の1179億円、売上総利益は11・2%減の112億円と減収減益だった。全社に占める繊維本部の売上高比率は昨年から0・32ポイント増えて1・46%となった。売上高総利益は0・53ポイント増えて2・19%だった。

 全額出資のエム・シー・ニット、エム・シー・ファッション、エム・シー・テキスタイルを統合、10月1日に新生エム・シー・ファッション(MCF)をスタートさせた。アパレルOEMの機能を集約、より価値のあるサービス提供できる、顧客企業の最強パートナーを目指す。通期については4~9月期同様、衣料品市場の低迷から「売上高、利益とも苦戦を強いられる」と予想する。

丸紅/OEM事業は比較的健闘

 丸紅ライフスタイル部門(繊維分野)の連結業績は、売上高が前年同期比23・2%減の1132億円の減収だった。

 国内外の商品市況の低迷、円高による繊維原料関連取引の減少などが影響した。単体業績も同29・1%減の507億円と減収だった。市況低迷、繊維原料関連取引の減少に加え、衣料製品・生活資材の一部商権を事業会社に移管したことも要因となった。

 上期はファッションアパレル部のアパレル製品OEM事業や、物資・フットウエア部の靴関連事業が比較的健闘した。下期以降もこれらの事業をけん引役に、川下から川上までのバリューチェーン構築で収益の拡大を図っていく。

 通期の業績については、市場の本格的な回復はまだ見込めないことから減収減益を見込んでいる。