「繊維・ファッション研究会」始動/成長戦略5分野の一つに

2009年12月08日 (火曜日)

 「今後の繊維・ファッション産業のあり方に関する研究会」の初会合が4日、経済産業省で開催された。最新の「繊維ビジョン」は2007年にまとめられたが、リーマンショック後の世界的な景気後退と低価格志向、さらに消費者意識の変化などを踏まえ、新たな成長戦略の指針を打ち出す。

環境・価値観の劇的変化に対応

 近藤洋介経済産業大臣政務官は会議の冒頭、「政権発足から3カ月、今後はどうやって国を富ませるかというプランを練る時期だ」と、同研究会の意義を述べた。

 各委員からは、様々な指摘が出た。「円高と温暖化対策で、工場の海外移転がさらに進み、空洞化の懸念がある」「テクテキスタイルなど、研究開発がカギを握る」

 「SCM構築が産業振興に直結していない。情報の共有化が難しく、誰が旗振り役を担うのかを明確にしないと成果が出ない」「情報の共有化ができないため、川上・中で安心したモノ作りができていない」「他国との差別化が必要ということで開発に注力してきたが、リーマンショック後はノーマル品で構わないという風潮になり、差別化政策が通用していない」「産地は縮小に次ぐ縮小だが、(需要減で)まだキャパオーバーの苦境にある」「世界はアジア市場に注目している」

 「国内の成熟市場で培った経験を海外で生かす戦略が通用しない。技術さえあれば世界で勝てるのではなく、それをマーケットにつなぐ組織内の連動の仕方が重要」など。

 最後に製造局の平工奉文局長は「繊維ビジョンは良くできていたと実感した。その指針を実行できない理由を探っていきたい。キーワードの『差別化』の意味は、『違い』というよりも、『ニーズに応えているか』だ。SCMは旗振りがなければ機能せず、マーケットに近い小売りの役割だが、唯一ではなく、川中企業でも可能だ。3月の答申に向け、発展できる絵を描きたい」と述べた。

 研究会の下部組織として、「ファッションWG」と「海外市場WG」の二つのワーキンググループを設け、より具体的に詳細を検討していく。海外市場WGが同研究会の発足前の11月末に、設立準備会合を開いた。同会合では何よりも、産地が危機的状況にあることが強く指摘された。

 同研究会は「成長戦略」立案のために製造産業局で進める研究会の一つで、すでに「水ビジネス」「次世代自動車」「化学ビジョン」「バイオ」の4つの先端分野でスタートしている。これら4分野と肩を並べて繊維・ファッション産業で同研究会が設けられた意義は大きい。