東レ/常圧カチオン可染糸開発/「ポリフォニック」シリーズで展開
2010年03月01日 (月曜日)
東レはカチオン可染ポリエステル長繊維の商品群を「ポリフォニック」シリーズとして展開していくこととした。また、新商品として常圧で染色が可能な「ポリフォニックNP」を開発し、4月から販売を開始する。「ポリフォニックNP」は初年度100トン、3年後500トン、「ポリフォニック」シリーズ全体では09年度の年4400トンから13年度には5500トン以上へ拡大する計画。
ポリフォニックシリーズは「レギュラータイプ」「シルキータイプ」「吸水速乾タイプ」「ソフト(ハイマルチ)タイプ」「軽量・保温タイプ(中空糸)」「防透けタイプ」「常圧タイプ」の7タイプをそろえて展開する。カチオン可染ポリエステル長繊維は改質したポリエステルポリマーとカチオン染料を化学的に結合させることで染色するため、一般的な分散染料に比べて発色性がよく、染色堅ろう度に優れるなどの特徴がある。
また、ポリエステルは高分子構造が緻密で強固なため、一般的には密閉系で130℃の高温・高圧化で染色するが、新たに開発した「ポリフォニックNP」は独自のポリマー改質技術によって分子構造をコントロールし、100℃以下・1気圧での染色を可能とした。高温・高圧化では物性面の劣化を起こしてしまうナイロンやウール、ポリウレタン、レーヨンなど他素材との複合が容易になる。