東レ「ボディシェル ドライ」/「白アイテム」薄地化で表現/透け防止+機能性の新素材
2010年06月01日 (火曜日)
東レは5月31日、透け防止・快適機能ファッション素材「ボディシェル ドライ」を発表した。レディース用パンツ向けのストレッチ織物を中心に、2011年春夏シーズンから発売を開始。初年度は5000疋、3年後には2万疋の販売を計画する。
ボディシェル ドライは、白や淡色の洋服でもインナーの色が透けにくい素材として04年に打ち出した「ボディシェル」シリーズの新素材だ。原糸には高度な複合紡糸技術と断面形態制御技術を融合した芯鞘複合断面混繊糸を採用。原糸の機能を最大限に生かすテキスタイル設計と高次加工技術の融合で、機能性とファッション性をあわせ持ったテキスタイルを開発した。
新原糸は、芯部に透け防止性能を持つセラミック粒子を高濃度に含有。可視光線や太陽エネルギーを遮断する効果を発揮する。また、微細な凹凸を持つ特殊異型断面糸と丸断面糸とを混繊させ、微細な透き間を形成させることで、毛細管現象を発現。従来品の「ボディシェル SP」との比較で、吸水性で約1・4倍、蒸散性で約2・7倍の吸汗速乾機能を付与した。さらに、フィラメント数を最適化することにより、防透け性と遮熱性の向上も実現した。とくに遮熱ではレギュラー品のポリエステル糸との比較でマイナス4℃の効果があるという。
販売価格は1500円/メートル~1800円/メートル(130センチ~140センチ幅、アパレル入り)。テキスタイルは、新原糸の特性を生かした設計と高次加工技術化で薄地化が可能になったことから、パンツ用途以外にもジャケットやスカート向けなどの展開も計画する。鳥越和峰婦人・紳士衣料事業部長は「薄くて透けにくいこの新素材で、パンツ以外の用途も提案していきたい」としている。
今月2日と3日に東京・南青山のスパイラルホールで開催する「2011春夏 ウィメンズ&メンズ マテリアル展」で披露する。様々なファブリケーションと二次製品のコーディネートで、アパレルに広く提案する考えだ。