ユニチカ/リストラ順調に終了、今期利益も計画通り
2000年12月19日 (火曜日)
ユニチカの平井雅英社長はこのほど、大阪で開いた記者懇親会であいさつし、今期の連結決算で経常利益八十億円、最終利益二十億円の計画が達成できるとの見通しを明らかにするとともに、次期二カ年計画「変革21」以降にコア事業であるフィルムやスパンボンドの増設を進めたいと語った。
平井社長は九八年度下期から取り組んだ「企業体質強化のための総合対策」(~二〇〇〇年度)を振り返って、「分社した繊維二社が黒字体質を定着させた」と評価。新会計制度への対応やフィルム、焼却炉の市況悪化で当初利益目標は若干下回るものの「採点すると七十点」と合格ラインを超えたとの認識を示し、「大リストラにも終止符を打ち、今世紀中にするべきことを終え、勢いよく新世紀のスタートが切れる」などと語った。
「変革21」は最終年度連結で売上高二千八百六十億円・経常利益目標九十億円と「ステディな増収増益計画」になっているが、「期間中に次の中期計画で飛躍する土台を作る」構え。この間、増設を抑えてきたナイロン・フィルムやポリエステル・スパンボンドは引き合いに応じ切れない状態が続いており、次期二カ年計画中にも国内で増設投資を行うが、二〇〇三年度以降は、インドネシアやタイなど海外の新増設も視野に入れる。
事業環境がさらに厳しくなると予想されるユニチカファイバーの合繊事業は「守るべきものは守る」との立場から、工場合理化によりコストをさらに削減するとともに、衣料から産業用へのシフトを進める。
また平井社長は「繊維産業の歴史を見ると、今元気な高分子事業も将来は厳しくなる可能性がある」と指摘し、環境や生活健康など新事業の育成を戦略課題として重視する考えを強調した。