東レ/極細ナイロン本格販売/業界最高水準の0・5T級
2011年05月17日 (火曜日)
東レは0・5デシテックス(T)級の極細ナイロンファイバー「マイクロマフィン」の本格展開を始める。すでに4月から大手アパレル向けに出荷を開始しており、パンストやインナー用途を中心に初年度25トン、3年後100トンの販売を計画する。
マイクロマフィンは「一度触ると忘れられない、ずっと肌に触れていたい心地よさ」をコンセプトに開発した新原糸で、業界最高水準の単糸繊度0・5T級を実現した。デリケートできめの細かい滑らかな肌触りなどが特徴で、ソフト性やドレープ性でも上品な風合いと外観を演出する。また、加工糸にした場合には、構成する単糸繊度が小さく、緻密な生地構造とすることが可能で、繊維内に空気を多く含むことから薄手の暖か素材としての製品企画も可能となる。ナイロン6、ナイロン66の2タイプをそろえ、繊度・フィラメント数はニーズに応じて設定できる。
革新製造設備の開発・導入により、従来の極細ナイロンよりもさらに細くすることを可能とした。すでに「ハイマルチ糸」と呼ばれる単糸繊度が1・0T級の極細ナイロンを使った製品は市場で幅広く販売されているが、それ以下の細繊度化については(1)ポリエステルに比べて製造時に糸の長さ方向の均一性を保持することが難しい(2)ポリマー溶融時の熱劣化が大きい―など製造の難度が高く実用化が難しかった。