初開催に手応え・テックスプロセス訪問記(上)テクテキ同時開催奏功か

2011年06月13日 (月曜日)

 5月24~27日、ドイツ・フランクフルトで、縫製機械と関連技術の国際専門見本市「テックスプロセス2011」が初めて開催された。09年、ドイツ縫製・皮革機械工業会(VDMA)が、従来のケルンメッセと協力関係を解消し、メッセ・フランクフルトが主催するテックスプロセスを後援すると発表。その第1回となる。ケルンメッセによるケルン国際見本市「IMB」との比較も含めて日系出展企業の声を中心に、テックスプロセスを振り返る。

 テックスプロセスはフランクフルト国際見本市会場の4館を使用し、40カ国・地域から330社が出展。主催のメッセ・フランクフルトによると、4日間で、同時開催の産業用繊維・不織布見本市「テクテキスタイル」(5月24~26日)へ来場し、テックスプロセスを訪問した人も含めた来場者数は1万6000人。

 ただ、取材した感覚ではテクテキスタイルに比べると来場者が少ないようだった。主催者発表ではテックスプロセスの入場登録者は初日2587人、2日目3857人、3日目3045人であり、テクテキスタイルはそれぞれ7590人、1万366人、5841人。確証はないものの、テクテキスタイル入場登録者がテックスプロセスに相当数流れなければ、1万6000人に達していないはず。その面では主催者が意図した2つの見本市がうまく連動したように思える。ただ「テクテキスタイルから流れて来る人が少ない」という日系企業の声もあり、判断は難しい。

 日系企業からは「IMBよりも来場者が少ない」「出展者が少ないように思える」などの声が挙がる一方で「出展は迷ったが、想定したよりもよかった」との見方もあり、初開催のテックスプロセスに対する分析には違いがある。ただ、ミシンメーカーを中心に日系企業のブースは来場者でにぎわっていたように思える。

 テックスプロセスはミシンなど縫製関連機器が中心のため、出展企業が機器を持ち込み、ブースで実演を行うことから、テクテキスタイル以上に1社当たりのブースが大きいのが特徴だ。日系企業ではJUKIが630平方メートルの大型ブースを構えた。ペガサスミシン製造、ブラザー工業(ともに欧州子会社としての出展)の2社はドイツ・ASS、オランダ・EISENKOLB、イタリア・SIPAMIを含めた5社の共同ブースで目立っていた。

 ともに、新機種を含めて様々なミシンを数多く展示。日系でもオルガン針のように商談スタイルをとる企業は一部であり、各社各様のブース構成のテクテキスタイルとは違いを見せた。