初開催に手応え・テックスプロセス訪問記(下)溶着からはさみまで幅広く

2011年06月15日 (水曜日)

 テックスプロセスにはミシンメーカー以外の日系企業も数多く出展していた。溶着縫製機製造のクインライト電子工業(和歌山市)は熱風による目張りヒートシーラーの新タイプ「QHP―X」を持ち込んだ。従来機種とは異なり、アームを下から動かせるようにしたもので、靴やカバンなどに向く。

 同社によると溶着縫製は欧米のスポーツウエアなどに使われているものの、日本の衣料品では遅れており、資材用が中心。今回、産業用繊維・不織布の見本市「テクテキスタイル」との同時開催に期待して出展したが「テクテキスタイルから流れてくる来場者が少ない」と分析する。

 工業用ミシン部品などを製造する木下精密工業(名古屋市)は、刺繍機販売のJCコーポレーション(大阪府池田市)、商事会社のシロ・インターショナル・コーポレーション(大阪府北区)との共同ブースを構えた。

 今回は「KASC(キノシタ・オート・スキップ・キャッチャー」が目玉商品。縫製中には様々な要因で目飛びが起る可能性があるが、それを抑える装置で、ミシンの上部に配置する。木下治彦代表取締役によると、国内では自動車資材向けで採用されているという。

 検針機のハシマ(岐阜市)は「ハシマブランドを世界にアピールする」(営業部の井上秀樹次長)ことを狙いに、テックスプロセスに出展した。同社の欧州向け販売は輸出の10%ほどで、中国、インド、バングラデシュ、インドネシアなどが多い。

 今回展では新しい機種はなく、コンベアタイプ検針機「HN―770G」、直線式接着プレス機「HP―900LFS」などをメーンに展示。取材中も海外バイヤーが訪れるなど、同社の知名度の高さを感じさせた。とくに「ディーラーではなく、東欧や北アフリカなどのユーザーが多く、当初想定したよりも手応えがあった」とする。

 刃物製造の貝印(岐阜県関市)はCAMメーカーなどが多い館の出展となった。この館の日系企業は同社のみ。それも奥の方のブースになった。同社は特殊なはさみを多く取りそろえている。「欧州向けでは風力発電のブレードに使うガラス繊維用のはさみが増えている」(国際営業本部美粧用品部の林郁雄マネージャー)と言う。

 同展では左利き用はさみのほか、同時開催のテクテキスタイルを意識して、パラ系アラミド繊維用はさみなどを提案。「今回は特殊繊維用に対する引き合いが強かった」そうだ。

 次回は2013年6月11~14日の開催となるテックスプロセス。テクテキスタイルとの相乗効果を含め初開催での課題をどう改善するのか。次回こそ真価が問われる。