韓国トップテック社/ITMAにナノファイバー製造機出展/信州大と共同開発の世界初・量産装置

2011年06月24日 (金曜日)

 韓国の機械・エンジニアリング企業、トップテック社は、9月にスペイン・バルセロナで開催される国際繊維機械見本市「ITMA2011」に出展し、信州大学繊維学部と共同開発したエレクトロスピニング(電界紡糸法)による世界初のナノファイバー不織布量産装置を提案する。韓国を除く世界販売権は伊藤忠システックが取得した。

 エレクトロスピニングは、原料ポリマーをノズルから押し出す際に高電圧をかけることでポリマーが電界に沿ってナノレベルで飛散する現象を応用したナノファイバー不織布製造技術。ノズル数が数列のラボ機はすでにいくつかの企業が商品化している。しかし、ノズル数を増やすと各ノズル間の電界が干渉してポリマーの飛散が阻害され、品質低下が起こることやノズル周りにポリマーが凝固して連続運転が困難になるなどの課題があり、量産プラントの開発には至っていなかった。

 これに対して信州大学繊維学部と韓国トップテック社が2010年に共同研究覚書を締結し、ナノファイバー不織布量産設備の共同開発に成功した。量産設備はノズル間の電界干渉を抑える独自ノウハウにより、2500~4000個のノズルを配置することで毎分50メートル規模でのナノファイバー不織布量産が可能。原料は湿式紡糸可能なポリマーなら原則すべてナノファイバー不織布にできる。また、溶剤回収システムなども備えた一貫生産プラントだ。

 すでに独フランクフルトで開催された「テクテキスタイル」や中国の「上海テックス」でも紹介されたが、9月のITMAバルセロナにも出展し、本格的な提案を進める考えだ。ITMAバルセロナでは、量産プラントと同じ商品のサンプル生産が可能なラボ機「Nano―I」も実機展示し、ナノファイバー不織布の用途開拓を支援する。

 一方、4月22日に世界販売代理店契約を伊藤忠システックと締結した。これにより、トップテック社のナノファイバー不織布製造装置は、韓国を除く全世界で伊藤忠システックが販売を担当する。伊藤忠システックではナノファイバー不織布の用途としてフィルター、燃料電池セパレータ、リチウムイオン電池セパレータ、防護服、人工皮膚、センサー、触媒、カーボンナノチューブ複合材料補強材など多様な分野への応用が期待されるとし、市場規模は20年には22億ドル規模にまで拡大すると予想している。

 伊藤忠システックでは「すでに引き合いが来ている。ITMAを契機に、まずはラボ機の販売を進め、量産プラントの販売につなげたい」と話す。