ダイワボウノイ/評価高まる「セルピーS」/手作りの表情が好評

2011年10月12日 (水曜日)

 ダイワボウノイの特殊多層構造紡績糸「セルピーS」の評価が高まっている。多層構造紡績糸「セルピー」をムラ糸化したもので、カジュアルシャツ地用途などで受注が増加傾向だ。染色を組み合わせることで独特の色調が表現できる点でも注目を集める。

 セルピーSは、糸の内側にポリエステル短繊維、外側に綿を配置し、さらにムラ糸として紡績したもので、グループ内の紡績会社、ダイワボウスピンテックで開発したものだ。昨年の同社素材展示会で披露したところ、ここにきてカジュアルシャツ向けなどで受注量が増加してきた。

 綿・ポリエステル複合の特徴を生かした吸汗速乾性や、糸の表面に綿を配置することによる綿の風合いなどが評価されていることに加え、機械式ムラ糸紡績を採用することで、一般的なコンピュータムラにない作りの表情も好評だ。

 染色と組み合わせることで生地に独特の色調を表現することも可能。綿・ポリエステル多層構造糸をムラ糸化することで、糸の表面の一部にポリエステル短繊維を露出させることができる。このためセルピーSを使った織編み物を分散染料で片浴染めすれば、ポリエステルサイドだけが染まることで杢調の生地表情を表現することも可能だ。

 また、複合するポリエステル短繊維にはペットボトル再生ポリエステルを使用したバージョンも用意しており、エコロジー対応素材としても提案している。

 綿・ポリエステル複合多層構造糸は、ユニフォーム用途などでは一般的な素材だが、ダイワボウノイでは、これをムラ糸化するというアイデアで新たにカジュアル用途への提案も加速させる方針。