シキボウ「デュアルアクション」が進化/混紡素材で新しい表情

2011年10月20日 (木曜日)

 シキボウは、戦略綿素材「デュアルアクション」で混紡素材のラインアップを拡充する。持ち味である特殊精紡交撚紡績技術と複合素材の組み合わせで、テキスタイルの新しい表情を追求した。21日まで同社本社(大阪市中央区)で開催中の素材展示会でも精製セルロース繊維「テンセル」混やポリエステル混のデュアルアクションを披露している。

 今回の素材展示会ではテーマを“ハイブリッド”と設定。複数要素の組み合わせでテキスタイルの新しい付加価値を追求した。

 デュアルアクションでは、綿70%・テンセル30%混の織物と綿50%・テンセル50%混のニットを提案。織物は110双級糸使いの高密度織物で、テンセル混にすることで高密度織物でもドレッシーなソフトさを実現する。ポリエステル・綿混では原糸に精紡交撚糸をさらに交撚した90双双糸による織物「ダブルデュエット」を打ち出す。

 また、今回新たにスラブ糸使いのデュアルアクションも披露した。毛羽が少なく、エレガントな表情が特徴の精紡交撚糸をスラブ化することで、従来はなかった“キレイめのスラブ感”を出しており、独特のカジュアル感が好評だ。そのほか、節電ビズ対応素材として、超強撚糸使いによる接触冷感性がある「デュアルアクション クール」や、極甘撚り糸によるで保温性が期待できる「デュアルアクション スイート」も用意した。

 ユニークなところでは、綿100%防水通気生地「ミューマックス」も注目だ。防水通気樹脂コーティングを極薄化することで羽毛側としても使用できるようになった。これを生かし、ダウンパック無しで通気性のあるダウンジャケットなどが可能に。ジャカードやドビーなど変化組織生地も羽毛側で使用できる。

 このほか、野蚕のシルクを綿と混紡した「エリナチュレ」が独特のカジュアル感のある風合いから人気を集めた。抗菌、抗ウイルスなど機能素材も重点的に提案している。

 25日から28日まで、日産江戸橋ビル(東京都中央区)で東京展も開催する。