ユニチカトレーディング/「こかげ」の新商品開発/割繊繊維の技術を応用

2011年11月21日 (月曜日)

 ユニチカトレーディングは12月1~2日に南御堂難波別院御堂会館(大阪市中央区)、12月7~9日に東京都中小企業振興公社(千代田区)で「13春夏 ユニチカ・機能素材展」を開催する。「〈3ディメンショナルコンフォート〉『涼』『乾』『動』」をテーマとし、機能性を単独ではなく要求性能に合わせて融合させた素材提案を行う。

 新素材としては「こかげ・マックス」を開発した。12春夏向けから展開している「こかげ」の性能をさらに高めた商品で、(1)優れた遮熱クーリング効果(2)高いUVカット性(3)ソフトな風合い(4)濃色でも高い効果を発揮―などが特徴。

 従来の「こかげ」は芯鞘構造で、芯部分に太陽光遮へいセラミックを使う。一方、「こかげ・マックス」は、割繊タイプの婦人向け極細素材「FSY」の技術を活用してフルーツ状の断面とし、太陽光遮へいセラミック含有ポリマーの面積を増やした。従来の「こかげ」に比べて約10%性能が上がるという。現在、12春夏向けのデリバリーを行っている最中の「こかげ」は15万メートルを受注しているが、「こかげ・マックス」では初年度30万メートルの販売を計画する。

 このほかでは、気化熱を応用したクーリング素材「打ち水」「打ち水・ドライ」、衣服内湿度コントロールによるクーリング素材「クールキャッチ プラス」、ストレッチ素材「ムーヴフィットなどを提案する。また、グループ会社のユニチカバークシャーが取り扱うレッグやサポーターなどのコンプレッション機能商品の提案も行う。

 ユニチカトレーディングは、スポーツ向けを中心とする機能素材の13春夏販売で、前年比10%増を計画する。主力のゴルフシャツやアスレシャツでは吸水速乾素材などを中心に拡大するほか、今期好調な防風ニットなどを使った軽量ジャージ向けなどを伸ばす。また、市場が拡大しているランニングやアウトドアの分野に向けても「こかげ・マックス」などのクーリング素材を提案していく考えだ。

 12春夏向けが主力となる今下期は前年比5~10%増となる見通し。学校体育衣料が堅調なほか、スポーツシャツなども好調に推移している。また、クールビズやウオームビズを背景に一般衣料やユニフォームなどでも機能素材への関心が高まっているという。