この人に聞く/三菱レイヨン常務執行役員・池田隆洋氏/成長期待のアクア事業

2011年12月07日 (水曜日)

 震災以来、三菱レイヨンの浄水器「クリンスイ」の販売が好調だ。同社は昨年、三菱ケミカルホールディングス(MCHC)の傘下に入ったが、MCHCグループ各社が展開していた水処理関連事業が三菱レイヨンのアクアブロックに集約され、同グループの成長事業として期待される。三菱レイヨン・池田隆洋常務執行役員(MMAブロック副担当役員、アクアブロック副担当役員兼務)に、現況と方向性を聞いた。

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――MCHCの新中期経営計画「アプトシス15」で、アクアブロックは成長事業として位置づけられています。

 現在の250億~300億円の売上高を2015年度には700億円に拡大する計画です。5年間で300億円弱の投資を行うほか、M&Aで数百億円を準備しています。アクアブロックは約800人の陣容です。

――アクア事業の概要は。

 「クリンスイ」や中空糸膜「ステラポアー」の販売、この膜を採用したMBR(膜分離活性汚泥法)システムによる工場排水などの処理事業です。MBRは省スペースで、技術的優位性がある。しかし、中国では水処理膜メーカーが乱立しており、膜の販売だけでは収益性が低い。このため、膜を使用した産業排水処理施設の運転・保守(O&M)事業も進めます。

 また、昨年10月に子会社となった日本錬水はイオン交換樹脂、水処理薬品のほか、水処理装置などの設計、製作、販売や運転、検査などを行う会社。同社を統合したシナジー効果を生かし、ソリューション型ビジネスを推進していきます。

――グローバル展開が加速しています。

 中国では北京碧水源科技股(以下オリジン社)と下排水処理用中空糸膜の製造・販売、膜エレメント加工・販売の合弁会社「無錫碧水源麗陽膜科技」を設立し、12年3月に稼働予定です。当社が51%、オリジン社が49%の出資です。

 当社はすでに中国で中空糸膜と、中空糸膜を使用したMBRシステムを柱に事業を展開しています。オリジン社は中空糸膜の販売先で、同時に中国国内において大型MBR案件受注力を備えています。

 新会社は当社の技術で高品質な膜の安定生産を行いながら、オリジン社のMBR案件受注力と膜販売力を組み合わせることで、急成長する中国の排水処理市場でのトップシェア獲得を目指します。

――クリンスイも海外販売を強化した。

 三菱レイヨン・クリンスイは欧州全域に家庭用浄水器を販売していきます。このため、三菱化学メディアと連携し、同社の海外販売子会社であるバーベイタム社の販売網を活用します。豪州、ニュージーランド、南アフリカでも販売を開始しており、今後はベトナムやタイを中心に東南アジアでも展示会出展などで販売ルートを拡大します。

――シンガポールでもMBRの共同開発を進めます。

 水は大事な資源。いかにリサイクルするかという資源化が重要です。MBRで工場や生活の排水を再利用することが求められている。膜技術をベースにしながら、MBR、プラント、水処理施設のO&M、クリンスイ事業などを拡大していきます。