クラレ/「クラリーノ」新製法の開発に着手
2001年02月09日 (金曜日)
クラレは二〇〇三~二〇〇四年をメドに人工皮革「クラリーノ」の新製法を開発することを目指して社内にプロジェクトチームを設置、コストダウンと環境対応をキーワードに作業を始めた。
第四次中期経営計画の最終年度に当たる今年度、クラレ本体からのクラリーノ販売量は前年度より一割強落ち込み、約千百万平方メートルにとどまる見込み。ユーロ、独マルクなど欧州通貨安で輸出が苦戦したのが響いた。九八年末に岡山工場の生産設備を三百万平方メートル増設し、年千五百五十万平方メートルにしたが、早期にフル生産・フル販売にするという〝垂直立ち上げ〟はまだ実現していない。
アジア向けスポーツシューズ用途、欧州向け衣料用途の需要はそれぞれ九八年、九九年を底に回復傾向をみせており、来年度は九八年度並みの千二百数十万平方メートルまで戻る見通し。しかし「中期的に世界の人口皮革市場を展望すると、現行の価格帯から下へ裾野を広げ、〝エコフレンドリー企業〟であるクラレの製品にふさわしい環境コンシャスを打ち出す必要がある」(小田晋作取締役クラリーノ事業本部長)と、新製法開発に着手した。
開発作業は「まだ一合目」(同)だが、使用する素材や樹脂など現製法を抜本的に見直す。環境対応では製造工程において溶剤使用ゼロを目指す。
これと並行して輸出を拡大し、欧・米・アジアの主要市場をほぼ同規模にするとともに、欧州でインテリア、米国で衣料などを強化して用途のバランス化も図る。