創・新製品情報/バイオベースナイロン 東レ/味の素が共同研究
2012年02月23日 (木曜日)
植物由来「1,5―PD」で
低炭素社会、持続可能な資源循環型社会の実現が急がれる。東レと味の素は13日、都内で「バイオベースナイロン」の共同研究契約を結んだと発表した。味の素が植物原料から発酵技術により製造するアミノ酸・リジンを原料とするナイロン原料ペンタン―1,5―ジアミン(1,5―PD)を製造、東レがアジピン酸(C6ジカルボン酸)と重合してナイロン56繊維を製造するというものだ。
バイオベースナイロンは、植物原料から製造される化学品を重合して製造するナイロン。従来のナイロン66はヘキサメチレンジアミンとアジピン酸を重合して生産している。このヘキサメチレンジアミンを味の素の作る1,5―PDに置き換えて、東レがナイロン56を作る。「植物度は47%になり、ナイロン66並みの高強力性、耐熱性を有し、ナイロン6の柔らかさを持つ。また、綿のような吸放湿性に優れる」(東レ・田中利明理事研究・開発企画部長)という。用途としてストッキング、タイツ、インナーなどを想定。地球環境に敏感な欧米市場、中国市場への販売も期待する。
味の素の木村毅執行委員研究開発企画部長は、「現在は糖がリジンの原料だが、非可食用原料も研究していく」と話す。1,5―PDは炭素数が5個のモノマー。味の素がアミノ酸L―リジンから脱炭素反応によって製造する。
次の段階ではナイロン610のヘキサメチレンジアミンを1,5―PDに置き換えて、植物度100%のナイロン510の開発も行う考え。東レが開発中の膜利用バイオ変換技術を1,5―PDの原料であるリジンの製造技術に活用することも視野に入れて連携を深めるという。
すでに1,5―PDモノマーの試作と、その重合によるバイオベースナイロンの試作にも成功。今後は検討規模をスケールアップし、生産プロセスを完成させ、繊維や樹脂用途での事業性評価・試売を行い、2013年中に事業化を判断する予定だ。




