伊藤忠/ブラマのノウハウ中国へ/ITSにブランド部門
2012年04月18日 (水曜日)
伊藤忠商事繊維カンパニーは、中国市場でのブランドビジネスを本格的に強化する。
上海の現地法人、伊藤忠繊維貿易〈中国〉(ITS)に「日本から生え抜きのエース級人材を派遣」(岡本均取締役常務執行役員繊維カンパニープレジデント)し、4月から新たにブランド部門を立ち上げた。日本市場で培ってきたブランドマーケティング部門のノウハウを中国市場に導入し、中国ブランド事業の本格的な拡大を図る。
中国市場では、米国カジュアルバッグブランド「レスポートサック」が昨年6月までに全世界で1000店舗を突破し、中国でも約120店舗となり中華圏で20%の増収となっているほか、「ランバン」も好調に推移する。昨年10月には中国で300店舗展開する台湾の盛高貿易と合弁会社設立の契約を結び、「ミラ・ショーン」ブランドの中国での展開を本格化させている。
少子高齢化が進む日本市場ではブランドビジネスも大きな収益増は期待しにくい。一方で鈍化したとはいえ依然として高い成長が続き、中間層が着実に増加している中国は、これからブランドビジネスの“黄金期”が始まるといっても過言ではない。
それだけに現地のパートナー企業なども、伊藤忠がこれまで日本市場で積み重ねてきた成功体験や、それを可能にしたノウハウに「大きな期待を寄せている」(岡本取締役)ことは間違いない。
同社ではITSにブランド部門を設置することで、本格的に日本市場で培った独自のノウハウを中国市場にも導入する。パートナー企業の期待に応えるとともに、中国市場でもブランドビジネスの先陣を切って、収益の拡大を図る。