アジア戦略は今~グローバル時代の生き残りは(54)検査機関編(後)中国内販、アセアン進出も

2012年05月08日 (火曜日)

 アパレル・小売業の中国内販の強化に向けての対応も進む。中国には安全性試験と製品標準試験があり、内販を行うには試験実施後、中国内販試験証明書が必要になる。

 ボーケン品質評価機構は、上海出入境検験検疫局やボーケングループの上海愛麗服装検験修理(Aiken)とともに、中国内販に向けた試験に対応する。上海出入境検験検疫局、Aikenは、試験所認定の「CNAS」(中国合格評定国家認可委員会実験室認可証書)や、中国計量認証「CMA」(資質認定計量認証証書)を取得。このため、中国内販に必要な両マークの付いた報告書が発行可能だ。

 また、3月には中紡標〈北京〉検験認証センター(CTTC)と業務提携し、「CALマーク」付きの試験報告書にも対応が可能となった。CALマークは品質監督部門が認可授与するマークで、華北地区での販売に際して百貨店などから、求められるケースが多い。

 日本繊維製品品質技術センター(QTEC)の青島と無錫の試験センターは、中国内販向け試験が可能で、上海でも準備中だ。さらに深センでも内販対応を進めていく。

 ケケン試験認証センターは、中国での試験、認証システムを拡大するため、4月に南京事業所を開設した。天津、上海に次ぎ、3番目の拠点である。メンケン品質検査協会も昨年7月に青島事業所を開設。ニット中心だが、水回り雑貨などにも対応する。

 こうした中国国内拠点の充実の一方で、チャイナ・プラスワンの動きも活発化している。とくにインドネシアへの進出が相次いだ。

 この3月にボーケン品質評価機構が、SGSインドネシアとの業務提携で、ジャカルタ試験センターを開設。4月にはカケンテストセンターが、カケンインドネシアを設立した。昨年、一般財団法人となり、出資が可能となったため、新会社はグループ経営ビジネスモデル第1弾でもある。この新会社は、グループの検品会社・カケンとの合弁で、試験と検品をワンストップで行えるのが強みだ。

 ニッセンケン品質評価センターも7月中旬、シャカルタに進出する計画。ドイツの検査機関トゥフズードと業務提携して、日本向け繊維製品の試験を行う。アパレルOEM拠点の南下に合わせて、検査機関も後を追う。