東洋紡STC/温度調整素材を開発/スエット用強化へ

2012年05月31日 (木曜日)

 東洋紡スペシャルティズトレーディング(STC)は13秋冬スポーツ素材で、競技シーンに適した機能商品を拡充する。また、ニットではスエット用の素材を拡充するほか、薄地高密度織物ではさらなる細繊度化を進める。

 13秋冬向けの新素材として、「アジャストメント」を開発した。蓄熱保温と吸水吸熱を両立させた温度調整機能を持つ素材。競技前の静止状態では、無機金属酸化物による蓄熱保温加工により身体を暖める。そして競技中の発汗状態では、水分に反応して熱を吸収する加工で冷却し、運動後にはポリエステルの速乾機能で汗冷えを防ぐ。

 また、ニット素材ではスエット用途に注目し、ポリエステルで綿のような風合いを持つ商品などを開発し、スポーツアパレルのタウンユースを中心に提案していく。

 スエット向けの新素材では、綿のような風合いを持つポリエステル長繊維「テックエアー」を使ったスエット用ニット素材「e―スウェット」を開発した。テックエアーは、2本のマルチフィラメント糸の供給量を変える特殊複合技術により、片方のフィラメントの一本一本が浮き出すことで綿のような毛羽感を出すことができるという。また、高捲縮マルチフィラメントを使った嵩高軽量ニット素材「ポムエアー」を提案するほか、表(24ゲージ)と裏(6ゲージ)が異なる表情を持つダブルニット「クオーターフェイス」などを打ち出す。

 また、軽量高密度織物ではさらなる細繊度化を実現。高強力軽量ナイロン「シルファインN」では8デシテックス(T)/7フィラメント糸の薄地織物を展開。また、三角断面糸を使った「シルファインプリズム」では22T、Y字断面糸使いの「シルファインエール」では17Tの商品を加えた。