特集「ITMAアジア+CITME2012」プレビュー/織機・織布関連機器

2012年06月01日 (金曜日)

豊田自動織機/AJ織機の可能性の極限/「E―シェッド」で革新パフォーマンス

 豊田自動織機は、エアジェット(AJ)織機5台、ウオータージェット(WJ)織機1台、コンパクト装置付き最新型リング精紡機「RX300」、コーマ機などを出展する。

 AJ織機「JAT」シリーズは、オリジナル電子開口装置「E―シェッド」搭載でAJ織機の可能性を極限まで引き上げた革新的パフォーマンスを紹介する。

 リング精紡機「RX300」はファンシーヤーンを自由に紡績できる「E―ドラフト」システムを進化させた新型スラブ装置とコンパクト装置「EST」を搭載し、紡績実演する。そのほか、詳細は不明ながらサプライズもありそうな気配だ。

津田駒工業/「ZAX9100」が進化/コンセプトは“スマート・エコロジー”

 津田駒工業はAJ織機「ZAX9100」3台、WJ織機「ZW8100」1台を実機出展する。いずれも“スマート・エコロジー”をコンセプトに高生産性と高付加価値、省エネを進化させた最新バージョンだ。

 ZAX9100の平開口機はツインノズルバルブ、IPMモーター、CCLキャッチコードレス、プラスチックヘルドなど省エネを徹底的に追求したグローバルスタンダートモデル。電子ドビー搭載機では緯糸6色選択やEIS電動耳開口や電装給糸カッターなどの装置でレピア織機に対抗する汎用性を持つ。

 タオル織機のZAX9100テリーは、パイル長の切り替えや3ピックから7ピックまでパイルサイクルの切り替えが可能。多様なデザインのタオル製織を実現する。省エネにも取り組み、ツインノズルバルブとエア経路の最適化で空気消費量を10%低減する。

 一方、WJ織機のZW8100は、従来機に比べ高速性を10%向上させながら、電気使用量を5%削減した。電子ドビー、ピッチ短縮ノズルとツインポンプ、緯糸4色選択を組み合わせることで多様な織組織の製織に対応できる。また、APF―W自動口合せを標準装備することで織機停止後に自動口合せが起動するなど徹底したユーザーフレンドリーを追求している。

ドルニエ/「シンクロ・ドライブ」が登場/衣料から産資用まで幅広く提案

 ドルニエは、最新のレピア織機「P1」タイプとAJ織機「A1」タイプを実機出展し、最新の革新機構を披露する。衣料用途から産業用繊維の製織まで幅広く対応する汎用性を打ち出す考えだ。

 棒レピアによるガイドレス積極レピア緯糸挿入システムが特徴のP1は、圧倒的な緯糸挿入安定性を武器にフィルター材など産業用織物の製織実演を行う。一方、A1は複雑なウール織物を製織実演し、レピア織機に並ぶ汎用性をアピールする。

 さらに見どころは、ストーブリのブースに展示されるP1。ストーブリの電子ジャカードを搭載し、ホームファブリックの製織実演を行う。ここでジャカードと織機を個別モーターで独立駆動させ、電子制御で両者を同調させる「シンクロ・ドライブ」方式を披露する。織機とジャカードをつなぐカルダンシャフトをなくすことで、ジャカード、織機ともに理論的には機械的な挙動限界から開放されることになり、その可能性が無限に広がる。また、ジャカードの耐久性も大幅に向上する。

 シンクロ・ドライブは、レピア、AJ両方式で搭載可能だ。ドルニエが提唱する“ウィービ・バイ・ワイヤー”の重要性を、実演を通じて広く認知させることを目指す。

ヤコブミューラー/最新ニールド織機を出展/産資、メディカル用途にも提案

 細幅織機メーカーのヤコブミューラーは今年、創業125周年を迎える。そのグローバルプレゼンスを打ち出す最新のニールド織機「NH」シリーズ、レピア織機「MBJ6」などを実機出展する。

 NHシリーズはリニアモーター電子ドビー搭載ニールド織機。事実上、パターンの長さの制限を受けない電子式ヘルドフレーム駆動のニールド織機だ。従来機に比べ、圧倒的な省エネ性と消耗部品の耐久性を高めたことでイニシャルコストを抑えた。

 MBJ6はラベル専用レピア織機。エネルギー効率を向上させた高生産性が特徴の新型機。このほか、ゴム入りテープ用インクジェットプリンター「MDP2」、テープ専用連続染色機「MFR3C」も出展し、リボン・テープなど細幅織物の製織から染色仕上げまで一貫のラインアップを充実させた。

 同社ではアパレル向けだけでなく、産業用途やメディカル用途への提案も強化する。加えて、蘇州の新工場が完成したことから、生産機種拡充でアジア地域で拡大する機械需要を積極的に取り込む。

グロッツ・ベッケルト/織布関連機器も充実/中国市場での拡販進める

 編組機械用ニードルや縫製用ニードル、不織布用ニードルで名高いグロッツ・ベッケルトは、織布関連機器・パーツの販売にも力を入れる。今回のITMAアジアでも織布工程での総合的なプロデューズ能力をアピールする。

 織布関連での出展の目玉はポジレノ装置。簡単な仕掛け替えが可能な上に、高速回転が可能な総カラミ織装置。近年、注目が高まっている。

 このほか、タイイング機「ノットマスターAS―3」「同TS―3」を出展。細番手から極太番手、テープヤーンなど各種ファンシーヤーンのタイイングに対応する。ヘルド洗浄機も出展する予定だ。

ピカノール/新型AJ織機をアジア披露/中国生産機種も多数紹介

 ピカノールは、新型AJ織機「OMNIプラス・サマム」をアジア地域で初披露する。レピア織機「オプティマックス」も積極レピア緯糸挿入システム搭載タイプを紹介。また、中国生産機種も多数用意した。

 OMNIプラス・サマムは新型電装プラットフォーム「ブルーボックス」を搭載。緯糸挿入システムも一新され、高速生産性と汎用性を併せ持つ。また、積極レピア搭載のオプティマックスは、筬幅540センチ機を実機展示。コーティング基布など産業用繊維の製織をターゲットとした提案を行う予定だ。

 もう一つの見どころが充実した中国生産機。AJ織機「OMNIプラス800」の技術をピカノール〈蘇州〉に導入して生産する新型AJ織機「OMNIプラス―X」を披露する。筬幅は190センチと220センチを用意。中国市場での中間価格帯ゾーンに向けた戦略機だ。すでに蘇州で生産するレピア織機「GTマックス」「GTXプラス」と合わせて、中国で生産するAJ織機とレピア織機両方を紹介することでユーザーのニーズに合った幅広い機種を提案する。

バン・デ・ヴィーレグループ/革新技術をパネルで紹介/「ボーナス」 多彩な製織を

 バン・デ・ヴィーレグループは、パネルでバン・デ・ヴィーレのカーペット織機を紹介する。

 バン・デ・ヴィーレのカーペット織機は、昨年のITMA2011でも大きく注目された。カーペットだけでなく産業用繊維の製織にも大きな可能性を感じさせたことによる。

 一方、実機を展示するボーナスの電子ジャカード「LJ」「ZJ」は「ヘックファインアジャストメント」機構が見どころ。同一筬内にある経糸の位置を制御して、相互の干渉を抑える。クロスポジションで同一筬内にある経糸の位置を個別に設定するため、経糸に異種異番手糸を使用する場合にも太番手糸と細番手糸の位置をずらして設定し、太番手経糸の細番手経糸への干渉を防ぐ。この機構によって、複数ビームを使用するタオルや高密度織物などで従来にない高品質な織物を生産することが可能。タオルのほかに、インテリア、寝装など多様な用途で効果を発揮する。

ストーブリ/新型ドビーを中国初披露/中国生産機も多彩に

 ストーブリは、電子ジャカード、ドビー、カム、準備機械を幅広く実機出展する。とくに新型ドビー「3060」は中国初披露となる。また、中国子会社での生産機種も展示し、アジア市場での販売拡大を狙う戦略だ。

 3060は新型のロータリードビー。稼働部分やセレクター部分の精度を大幅に向上させた。ドビー・カムではこのほか、上置き型消極カム「1352」も紹介する。上置き型のためWJ織機にも搭載可能だ。こなれた価格とドビーに勝る生産性から中国市場に最適の機種として提案する。

 準備機械では自動ドローイング機「サファイアS30」も注目。長繊維のドローイングに特化した機種ですでに中国でも導入が始まった。人件費上昇や労働力不足から中国でも準備工程の自動化ニーズが高まっている。

 電子ジャカードでは1万2288口の「LX3202」でタペストリーといす張り地、2688口の「SX」でタオルの製織実演を行う。また細幅織物用ジャカード「CX182」も紹介する。

 今回展では杭州子会社による生産機も紹介する。低速レピア織機用ドビー「2658」や、スイス本国から全面的に生産が移管された電子ジャカード「DX」を動作モデルで紹介する。

 このほか、ストーブリグループからデーモも別ブースで出展。電装パーツやダイレクトドライブモーターなど各種ソリューションを紹介する。

 また、日本法人が見学ツアーを実施しており、展示会だけでなく呉江産地の織布工場見学を予定するなど話題も多い。

ナンカイ工業/炭素繊維製フレームを披露/“メードイン・ジャパン”をアピール

 織布アクセサリーメーカーのナンカイ工業は、ヘルドフレーム2種類を出展する。いずれも“日本製”をアピールし、炭素繊維複合材料(CFRP)を使用することで高速製織への対応したヘルドフレームも披露する。

 出展するヘルドフレームは「RS601」と「COLLABO(Ⅲ)」。RS601は様々な織布条件に対応したスタンダートモデルだ。一方、COLLABO(Ⅲ)は、炭素繊維複合材料(CFRP)を使用した高速稼働・高負荷稼働対応モデルだ。

 同社では織機の高性能化に対応したアクセサリーの開発を進めると同時に、既存製品との互換性も重視し、ユーザーの利便性を高める開発・販売を進める。

 とくにアジア市場は日本製織機の需要が一段と高まる市場と見ており、そこで求められるアクセサリーを“メードイン・ジャパン”として打ち出す考えだ。

イズミインターナショナル/高機能繊維用テンション装置/アジア市場での需要拡大に期待

 炭素繊維やガラス繊維の製織工程などで使用されるテンション制御装置を製造販売するイズミインターナショナル。今回の出展を通じて需要拡大が期待される高機能繊維のアジア需要を取り込むことを目指す。

 今回展では、超細番手用テンション制御装置「トップ1000」のほか、AJ織機リレイノズルの噴射方向セット装置やボビンワインダーを出展する。ガラス繊維などではPCボードの基布用途などで極細番手化の流れが加速しており、こうした先端分野向けの最新機器を提案する考えだ。

 近年、アジア地域でもガラス繊維やアラミド繊維、炭素繊維の需要が韓国、台湾、中国、タイ、インドなどを中心に拡大しつつある。イズミインターナショナルでは、こうしたアジア地域で拡大する需要の取り込みを進める考えだ。