ズームイン/NI帝人商事・衣料繊維部門長に就いた・巣山 洋氏/顧客視点の現場主義貫く

2012年06月12日 (火曜日)

 4月1日付で衣料繊維部門長に就いた。長らく旧ソ連向けの製品輸出を担当した巣山さんは、1987~90年代前半まで駐在した当時のソ連について、「共産圏の駐在では気遣いが多かった」と振り返る。商談の約束も日時を厳密に決められるのが普通。スパイの疑いをかけられないよう、2人以上で商談に訪れることも必須だった。

 それだけに、2006年に、2回目に駐在したソ連崩壊後のロシアの変わりようには「衝撃を受けた」という。巣山さんが担当したのは、車両向け産業資材の売り込み。BRICsと呼ばれる新興国市場の一角として注目されるロシアは、政治体制の移行でファッションやレストランのサービス、町並みまで「すべてが変わった」ことが、深く印象に残っている。

 その後、09年に衣料繊維の部門に戻り、このほど衣料繊維部門長に就いた。今秋、同社は帝人ファイバー(TFJ)の衣料部門と一つの会社に統合する。シナジーの最大化をいかに実現するかが今後の重要な課題となる。

 すでに、TFJの拠点である南通帝人が開発した素材のテキスタイル販売、それを生かしたOEM展開など連携を強める取り組みが始まっている。このほか、両社のメンバーで構成する統合委員会で新規プロジェクトを検討中だが、その基軸となるのはTFJの素材開発力とNI帝人商事の中国、チャイナ・プラスワン地域に広がる生産拠点の活用だ。OEM事業でのコンバーティング機能の強化、提案力の強化で「顧客視点の現場主義を貫いていく」というのが巣山さんの抱負。

 拠点がグローバルに広がり、忙しく海外を飛び回ることになるが、それほど苦ではないようだ。学生時代から、アルバイトでお金を貯めてはメキシコなど中南米を中心に世界各地を旅した巣山さん。今で言う「バックパッカー」の先駆けだ。現地の料理も「好き嫌いせず何でも食べる」と言う笑顔が若々しい。

すやま・ひろし

 1976年早大・商卒、日商岩井入社。2002年NI帝人商事衣料繊維第二部門営業開発部長、06年帝人出向(ロシア駐在員事務所長)、09年NI帝人商事衣料繊維部門長付名古屋衣料本部担当、11年取締役東京衣料本部長兼東京支社長、12年4月から取締役衣料繊維部門長兼東京衣料本部長。59歳。