環境新書特集/ユニチカ/バイオマスの商品群拡充/7月からゼコット稼働

2012年06月21日 (木曜日)

 ユニチカはポリ乳酸「テラマック」、バイオマス由来原料を使った耐熱ポリアミド樹脂「ゼコット」、二酸化炭素を原料とするポリ尿素などバイオマス素材を幅広くそろえている。2020年度に向けた長期ビジョンの中で環境配慮型商品の拡大を重点方針の一つに掲げるなか、今後もバイオマス素材や省エネ対応素材の品ぞろえを強化していく考えだ。

 テラマックはフィルムやシート、ファイバー、不織布、レジンなど幅広い形態で展開していることが強み。前期は電気自動車関連が震災の影響を受けたものの、ティーバッグ、封筒、食器などの雑貨関連などは安定的に推移し、土木関連なども堅調に推移した。今後に向けてはさらにバイオマス度を上げながら性能も高めていく方向で商品開発を進めるほか、カーボンオフセット付きエコ商品としての展開といった販売面の工夫も凝らして販売拡大を狙う。

 また、ゼコットはバイオマス由来原料を用いながら、高い性能を実現した耐熱ポリアミド樹脂。熱可塑性耐熱ポリアミドの中では耐熱性、結晶性、低給水性、耐薬品性、耐磨耗性、電気特性、高品質の各面で世界最高水準の性能を有するという。融点が310℃で結晶性も高いため、とくに耐熱性に優位性を持つ。また、独自技術による新規製造プロセスのため、コスト競争力も高い。

 まずはLED周辺部材、自動車のエンジン回り、モーターや電池関連などに向けたスーパーエンプラで展開していく。設備は7月にテストプラントが立ち上がる予定で、15年以降には年間5000㌧規模にまで拡大する計画だ。将来的には繊維やフィルムでの展開も視野に入れている。