三菱レイヨン「コアブリッドB」/非接触で高い除電性能/導電アクリル 不織布に
2012年06月29日 (金曜日)
三菱レイヨンは、同社が世界で唯一展開している芯鞘構造の導電アクリル短繊維「コアブリッドB」を使った非接触で除電可能な不織布、特殊紙、ブラシなどの商品群を開発した。印刷や製紙、フィルム製造工程、静電気を嫌う製品の梱包資材、静電気対策品などの用途に展開する。
導電短繊維の「コアブリッドB」を原料とすることで、シートなどの商品の表面に大量の繊維末端が存在することになる。この繊維末端の針端コロナ放電現象により、非接触でも効率的に静電気を除去することが可能になる。芯鞘構造であるため、摩擦や高温環境などで性能劣化しにくいという特徴もある。また、導電性能を繊維の芯部分にだけ持たせているため、繊維表面の電気抵抗が比較的高く、従来の導電繊維で懸念された飛散による電気短絡(ショート)を起こしにくいという。
除電性能については、「コアブリッドBを78%使用した不織布を短冊状にカットし、1センチ離した場所に約+10kVに帯電したナイロン布を秒速1メートルのスピードで通過させたところ、+0・2kVにまで除電された」などの試験結果が得られたという。