カケン/中国に4拠点開設へ/システム変更にも着手

2012年07月17日 (火曜日)

 検品のカケンは中国に9拠点を設けるが、来年度にかけて4拠点を新設する計画だ。主に生産地での展開となる。チャイナ・プラスワン対応ではインドネシアに続いて、ベトナム、カンボジアを候補地として検討する。情報システムも共有化に向け改善している。

 同社は中国に上海2拠点のほか、南通、青島、煙台、大連、北京、深セン、東莞と9拠点を有する。金木幸夫社長は「最低賃金や社会保険費用の上昇によるコストアップ、質の高い人集めも難しくなっている」と現状を語る。

 また、運輸業者が検品・アソートも手掛ける動きがあり、中国国内での競争は激化している。こうした中で、今後の拠点は「地方の生産地に検品場を設けて、物流加工は沿海の集積地で行う」考えだ。1工場で数百人規模の人を集めにくくなったことも要因だ。

 さらに「9拠点とも輸出入商品検験鑑定機構管理弁法(第58号令)で、保管、梱包、出荷まで登記上の項目として認可を得ている」とし、下札付けといった物流加工まで対応できる体制にある。

 チャイナ・プラスワンでは、カケンテストセンターと4月に、合弁でインドネシアに進出。カケンテストセンターが試験、カケンが検品を担い、試験と検品のワンストップサービスを開始。「検品は6月にはフル稼働。増員していきたい」という。新規ではベトナム、カンボジアを検討する。

 一方、日本の衣料市場はデフレが続いており、検品もより合理化が求められている。このため、「販売チャンネルの要求に応じた商品別の工程数の見直し」も開始。また、6月に隣接ビルへ移転したのを契機に、サーバー室を設け、情報共有や受発注履歴・進捗管理のできるシステムに変更している。ウェブを利用して工場内部もフォーカスできる体制も計画する。