連載/動き出すIT活用・アパレルテクノロジーフェアより(4)
2001年03月01日 (木曜日)
東レACSは、展示とセミナーで多数の来場者を集めた。同社のアパレルCAD「クレアコンポ」のユーザーは、千二百二十ある。内訳は国内企業千社、教育機関百五十校、海外企業七十社(うち五十社が中国)。国内ではナンバーワンシェアの同社だが、「今後はアジアへ、そして世界一のアパレルCADベンダーを目指す」とセミナーで宣言した。
その同社が国内市場の深耕で力を入れているのが、SOHOや個人ユーザーへの拡販だ。ACSネットを通じたソフトレンタルの「パーソナル クレアコンポ」で囲い込みを狙う。
「パーソナル クレアコンポ」は、クレアコンポを構成するパターンメーキング、グレーディング、マーキング、縫製仕様書作成の4ソフトから、必要なソフトのみを組み合わせ、月々五万円からレンタルできる。オプションで省スペース型のパターン入出力機器も用意されている。
ネット利用なので、ACSユーザー相互の情報交換、仕事情報のキャッチ、メールによるパターンデータの受け渡しが可能。オペレーショントレーニングセミナーや、CAD/CAMサプライ品の優待価格提供サービスもある。
東レACSのこの事業は付随的な性格が強いが、ジェイシーシステムの「パタパタモードくん」は、同様のCADソフトとネットワークシステムのレンタルそのもののをビジネスにしている点で、公益性も感じられるものになっている。
同社が今年から提案している「デュアル ソース ネットワーク」(DSN)は、パターン作成を発注したい企業と、それを受託したいパタンナーを双方向的に結び付ける目的で運営されている。
個人やSOHOのパタンナーがCADシステムの使い方を身に付けたり、自分が作ったパターンと自己PRをネットのボードに載せて、ビジネスチャンスをつかむ「お見合いの場」なのだ。
同社のCADはTIIP、DXF形式のファイル変換機能を装備しており、大手ベンダーのCADシステムと互換性も保証されている。標準的な料金は、月額一万五千円以下である。
こうしたパタンナーのネットワークがアパレルや縫製工場によって活用されるかどうかは、「パタンナー」の評価│社会的な認知度いかんにかかっている。人材バンク的な役割を果たすようになれば、CADの国内普及率がもう一段アップすることになるだろう。




