韓国繊維産業/“次のヒット商品”模索

2012年09月07日 (金曜日)

 【ソウル=宇治光洋】韓国繊維産業連合会主催の国際繊維素材展示会「プレビュー・イン・ソウル(PIS)2012」が5日、開幕した。得意の合繊織・編み物を中心に、韓国の有力テキスタイルメーカーが出そろったPISだが、昨年までと明らかに風向きが変化している。輸出をけん引した合繊高密度織物のトレンドがピークアウトするなか、“次のヒット商品”への模索が続く。国際提携による新市場・用途を開拓しようという動きも加速した。

国際提携で市場・用途開拓

 韓国のテキスタイルメーカーにとって現在の最大の課題は合繊高密度織物のトレンドピークアウトだ。大邱産地の機業の国際マーケティングを担当する韓国テキスタイルセンター(KTC)マーケティング部のキム・チャンス部長は「2005年まで産地の縮小が続いたが09年ころまで小康状態となり、その後は合繊高密度織物を中心に産地も活況だった」と振り返ったうえで、合繊高密度織物のトレンドが終わった現在、「産地では次のヒット商品への模索が続いている」と指摘する。

 PIS出展企業も“ポスト高密度織物”への動きを強める。例えばPIS常連の大手機業、ヤングテキスタイルは、新商品としてヒュービスの染色可能ポリプロピレン(PP)使い織物「ウルティマX」を披露。PP100%だけでなく、PP・ポリエステル交織や、日本にはないPP・綿交織などを打ち出す。ポリエステル・ナイロン複合割繊糸織物「プラドリームシュプラ」も提案。こちらも綿交織を用意し、スパン調への傾斜が鮮明だ。

 一方、業界全体で取り組むのが国際提携による新市場・用途開拓。今回のPISでは、ドイツ糸・布・テクニカル繊維品工業連盟(IVGT)が加盟企業4社と出展した。テクテキスタイル企業のほか、ドルニエやグロッツ・ベッケルトなど機械メーカーも含まれる。09年に韓国繊産連とIVGTが提携覚書を結んだ成果だ。

 狙いは、産業資材用繊維市場の育成と開拓。韓国繊産連のキム・ドンス副会長は「韓国にはサムスン、LG、ヒュンダイ、SKなどグローバルに活躍するテクテキスタイル需要家がいる半面、国内の繊維企業には技術が足りない」と指摘。ドイツの産業用繊維関連企業と提携することで、韓国は技術を、ドイツは市場を連携して取り込むという戦略で一致した。

 5日、韓国繊産連は日本ファッション・ウィーク(JFW)推進機構と提携覚書を結んだ。これも韓国繊産連の国際戦略の一環といえる。JFWと相互協力することで、国際市場でのマーケティング活動を強化し、新市場の開拓を進める。当然、日本市場への一段の進出も含まれる。

 国内市場が小さく、本質的に国際市場で戦うことを運命づけられた韓国繊維産業。世界のファッショントレンドへの素早い対応やしたたかな国際戦略など、そのポテンシャルは、依然として健在だ。