繊維ニュース

アジア特集/繊維関連業界のアジア戦略/市場ニーズに対応する検査機関

2012年11月09日 (金曜日)

 生産の海外移転に伴い、検査機関は中国、アジアに拠点を設けている。繊維製品に安心・安全、機能性を求める市場に対応して、試験から検品まで一貫して依頼を受ける動きが増している。

カケンテストセンター/インドネシアが本格稼働/外―外貿易も視野に入れ

 カケンテストセンターのインドネシアの拠点、カケンインドネシアが4月中旬にオープンし、この秋冬物から本格稼働している。関係会社である検品会社のカケンとの合弁で、インドネシアのジャカルタ市内に本拠を構え、日本向け商品に加え、欧米向け商品の品質検査・検品を行う。

 1階が試験受付・試験ラボラトリー(650平方メートル)、5階が検品受付・事務所(400平方メートル)。生地から縫製までワンストップで業務を行う。外―外貿易の拡大を視野に入れ、欧米向けの試験機器もそろえる。また、カケンテストセンターの海外規格試験室と連動し、現地で欧米の試験基準などの相談に応じられるのも特徴だ。

 ベトナムのBVCPSベトナムでは、一般の試験を行うとともに、カンボジアにも対応。タイのOMIC COPITはタイ国内の試験とともに、ミャンマー、カンボジアに出張ベースで対応する。

 香港の香港検査所は東南アジアのハブとしてアセアンを統括。カケンインドネシアのスタッフのトレーニングも香港で行った。韓国、台湾にも拠点を設けている。

 中国では上海、青島、大連、寧波、無錫に拠点を置く。このうち上海科懇検験服務は中国の中核拠点の位置づけ。上海科懇分析センターではアゾ染料などの分析にも対応する。中国内販向けの試験も増加しているという。

ボーケン品質評価機構/海外での製造・販売支援/ジャカルタ試験センターも充実

 ボーケン品質評価機構は、中国やアセアン地域での拠点整備を進めている。3月にはSGSと提携してインドネシア・ジャカルタ試験センターを開設。“チャイナ・プラスワン”のニーズに応える。

 ジャカルタ試験センターの立ち上げが順調に進むなか、試験依頼の引き合いも徐々に増加してきた。ボーケンでは引き続きジャカルタ試験センターの充実を進め、拡大が続くインドネシアでのモノ作りを支援する体制を強化する。展示会やセミナーなどをインドネシアで開催することも検討中だ。

 一方、中国では品質試験に加えて上海機能性分析センターでの機能試験、化学分析、服飾雑貨品質試験も可能。上海浦東、上海浦西、常州、青島、広州、杭州、香港の各試験センターと上海機能性分析センターを連携させ、ネットワークを築くことで中国での試験依頼を中国内で完結させる体制を作る。

 さらに内販に向けた現地規格への対応も強化しており、「CNAS」「CMA」資格を取得している。今年3月には中紡標〈北京〉検験認証中心と提携し、華北地区での内販に必要な「CALマーク」付き試験報告書の発行も可能になった。

 韓国でもFITI試験研究院と提携しており「KCマーク」付き報告書の発行が可能だ。中国、インドネシア、韓国などアジアでのグローバルネットワークが充実する。

QTEC/ダッカも堅調推移/トータルサポート対応で

 日本繊維製品品質技術センター(QTEC)は、「中国の試験センターは堅調に推移している」という。

 青島、無錫の試験センターではGB規格(中国国家標準)報告書を出すことができ、中国国内販売向けにも対応する。また、無錫では羽毛試験が貢献している。同試験センターでは5月から、羽毛組成混合率試験、かさ高性など各種羽毛試験を開始した。羽毛ふとん、ダウンウエアなどの羽毛製品の製品検査、耐洗濯性等の一般試験も実施する。

 上海試験センターは7月から「上海総合試験センター」に名称を変更し、安全性と機能性試験担当部門を設けた。総合試験センター化により、アゾ試験や接触冷温感など安全性や快適試験も行っている。また、同センターは近日中にCNAS(中国合格評定国家認可委員会実験室認可証書)を取得する予定だ。深試験センターは傘など生活用品の試験依頼が増えた。

 バングラデシュのダッカ試験センターは、業務量が一定化し、堅調だ。日本企業の進出も継続しており期待する。12月中旬に同国で開かれるテキスタイル展「BATEXPO」にも出展する。

 また、検品工場や縫製工場の工場指導や出張検品の業務も、ダッカや深では増加。「試験、検査、工場指導などトータルサポート力をアピール」していく。

ニッセンケン/ジャカルタラボを開設/上海で抗菌性試験も

 ニッセンケン品質評価センター(ニッセンケン)のジャカルタラボが9月にオープンした。ジャカルタ近郊のタンゲランにあり、ドイツ大手の試験・認証機関テュフズード、その現地法人クオリス インドネシアと提携している。

 ジャカルタラボでは、次の業務を行う。有害物質測定(特定芳香族アミン、ホルムアルデヒド、有機スズ化合物、PCBなど)▽物性試験(引っ張り、引き裂き、破裂、滑脱など)▽機能性試験(燃焼性、撥水性、吸水速乾など)▽染色堅牢度試験(汗、耐光、摩擦など)▽寸法変化率試験(ドライクリーニング、洗濯、プレスなど)▽混用率(各種繊維製品)▽製品試験(耐洗濯性、耐ドライクリーニング性など)。

 「インドネシアはシンプルなものから、徐々に複雑な素材も扱うようになる。テュフズードと提携することで、日本向け各社基準のほか、中国内販向けのGB、欧米輸出向けの試験基準にも対応できる」という。また、顧客からは検品の要望もあり、「早い時期にそうした要望にも対応したい」と、出張検品も視野に入れる。

 中国では、上海事業所が繊維製品の抗菌性評価試験を開始した。また、特定芳香族アミンの分析試験では、上海事業所のほか、南通事業所、南通人民路事業所でも対応する。繊維製品の安心・安全の評価は、国内外を問わず重要である。

アジア縫製に寄与する副資材/コロナマルダイ/モノ作りと物流整備/東南アジアで一段の強化

 芯地など服資材の企画製造卸、コロナマルダイ(大阪市中央区)は、中国を中心拠点にベトナムやミャンマー、インドネシアなど東南アジアでのモノ作りと物流整備を今後、一段と強化する。

 すでに中国ほかベトナムに保税倉庫を持ち、近く、現地法人も認可される。今後はミャンマーやインドネシアにも設置したい考えだ。保税倉庫のメリットを最大限生かす。

 ミャンマーについてはドレスやカジュアルシャツの縫製のほかに、ユニフォームの縫製拠点として活用、中国やベトナムで調達した服資材の持ち込みが大きく伸びることに期待する。

 コロナマルダイの前8月期業績は売上高が前の期比30%増の26億円と好調だ。中国を中心とする海外売上高を合わせると67億円。これまで海外生産、商材の現地調達が評価され、順調に売り上げを伸ばしてきた。芯地販売ではシェアを伸ばしている。

 森澤章雄社長は今期の見通しについて「芯地の製造販売が核になるが、今後は芯地と専用袋、織りネームなどの必要な副資材をパックにした供給体制を強める」方針だ。

 また、国内の芯地などの販売額は今年、「8月苦戦、9月にやや上向いてきたが、シャツ市場の消費が促進しない。来期も今期並みの業績になりそうだ」と予想する。

アジア縫製に寄与する副資材/三山/ミャンマーでミシン糸備蓄/品質に絶対の自信

 三山(大阪市天王寺区)はチャイナ・プラスワンで関心を集めるミャンマーで、今年9月からミシン糸の備蓄販売を開始した。

 現地販売はヤンゴン市のミャンマー・スリー・マウンテン・ゼネラルトレーディングカンパニーとの業務提携によって行うもの。縫製地として急速に注目されたミャンマーだが、縫製工場の整備進捗に比べてやや弱いのが、ミシン糸に代表される副資材関連。中国からの輸入に頼るケースが多いが、糸がすぐ切れるうえ、納期対応にも難があるとされる。

 同社はこのニーズに対応。「当社のミシン糸なら、従来は20~30%とされる糸切れ率を5%以内に抑えることができる」(岡村納取締役部長)と品質に絶対の自信を示す。商品価格自体は中国品などと比べてやや高くなるが、糸切れロスなどを加味したトータルコストでも自社製品に自信を持つ。今後はOEM商社やアパレルへの直接提案によって拡販を狙う。

 現在備蓄するのは8品番。ポリエステル短繊維100%の「夢カブトⅡスパンミシン糸」で5種、ポリエステル長繊維100%の「ホシカブトテトロンミシン糸」で3種という構成で、それぞれ92~402色をとりそろえる。今後は現地のニーズを見極めながら、多品種化も視野に入れる。