東レエクセーヌ/4つの特徴にポイント/ライフスタイルも強化

2012年11月20日 (火曜日)

 東レのマイクロファイバー事業部門は人工皮革「エクセーヌ」の特徴を4つの側面に絞り、用途提案まで踏み込んで紹介した。16日まで開かれた「東レマイクロファイバー素材商談会」では、訴求ポイントを絞り込み、エクセーヌの素材特徴を衣料、非衣料の幅広い分野で分かりやすく提案した。グローバルな販売拡大に力を入れるなか、国際的なテキスタイル見本市「プルミエール・ビジョン」(PV)に出展し、好評だった素材も紹介した。

 展示会では「クアドロフェニア(四重人格者の意味)」をテーマにエクセーヌが由来する「不織布」「ポリウレタン」「超極細繊維」「ポリエステル」の4つの側面に焦点を当てた。

 不織布に由来する特徴では、裁ち切りでもほぐれない形状維持性、厚さ0・43~3・0ミリまでのバリエーションを持つ加工の幅広さをバッグやネクタイ、コートの形で提案した。

 ポリウレタンにより衝撃吸収性を持つ特徴は、キャリーケースの内装材に使用して伝えたほか、超極細繊維使いで発揮する滑りにくさや優雅なタッチは、クッションや靴の中敷きなどの用途で説明した。

 ポリエステルを生かした特徴は、後加工、カラーバリエーションの豊富さをアピールするため、PVで好評だった1ウエーストレッチ素材やリサイクルポリエステル使いの環境配慮型素材で表現した。

 エクセーヌ事業は今後、売り上げの4割を占める輸出を伸ばす。今期から海外市場でのブランド名を「ウルトラスエード」として展開を始め、PVへの出展もその一環だった。ブランド認知の向上を図り、今後はロシアや南米など成長が見込める市場への提案に力を入れる。

 欧州市場ではすでに「アルカンターラ」のブランド名で実績があるが、ブランドや商品ごとに顧客に選択してもらう形で並行して提案を進める。

 用途は売り上げの4割を占める衣料やインテリアなどライフスタイル関連を拡大する。PVでも衣料以外の用途提案が好評だったことから、ホームテキスタイル展の「ハイムテキスタイル」、産業繊維・不織布展の「テクテキスタイル」など他分野の国際展示会への出展も視野に入れる。