東レ/中期方針、着実に実行/新興国の成長取り込む

2012年11月22日 (木曜日)

 東レの日覺昭廣社長と田中英造副社長は21日、東京本社で会見し「世界経済の情勢が不透明ななかでこそ、中期経営課題で掲げる方向性を確実に推進する必要がある」との考えを強調した。中国やその他新興国市場の成長を取り込む施策を「着実に実行する」と語った。繊維事業は2020年ごろに売上高1兆円を目指すなか、素材開発ではグリーンイノベーション製品を中心に力を入れるほか、アセアンを含むチャイナ・プラスワン地域で拠点を整え、サプライチェーンをグローバル規模で確立する方針を改めて示した。

 環境問題や資源・エネルギー問題の解決に向けた素材提案を推進する「グリーンイノベーション事業拡大プロジェクト」では、バイオベースのポリエステル、ナイロンの開発に力を入れる。田中英造副社長は「2017年度までに商業生産ベースに乗せる」との方針を語った。

 アジア・新興国で事業を拡大する「AEプロジェクト」では、原糸・原綿、テキスタイル、縫製の各段階でグローバルなサプライチェーンの確立を進める。今後はチャイナ・プラスワン地域での縫製拠点の拡充を重視する考えで、ミャンマーやバングラデシュ、ベトナム、インドネシアへの生産移管に重点的に取り組む。

 エアバッグ用途の原糸から基布までの一貫展開、中国、インドネシアでのポリプロピレンスパンボンドの増強も順調に進捗しており、日覺社長は「13年度の収益拡大に向けて期待できる」と語った。

 国内マザー工場における基礎研究を基盤に、高付加価値品や先端材料の開発に注力し、海外の成長市場に投入する。