東レ スポーツ素材/ビジネス分野へ投入/14春夏 クールビズにも的

2012年12月05日 (水曜日)

 東レは14春夏スポーツ素材販売で用途拡大に力を入れる。スポーツ分野では展開アイテムに幅を持たせて提案するほか、非スポーツ分野でも好調に伸びるビジネスウエアへの展開に引き続き注力。洋傘への活用も来シーズンから本格化する。

 スポーツ分野でのアイテム拡充では、ポリエステル長繊維でありながら、天然繊維のような風合いを持つニット素材「フィールフィット」で表面感のバリエーションを増やした。

 同一の生機でプリント物から杢タイプ、製品染めもサンプルで展示し、表面感のバリエーションを提案した。先駆けて開いた大阪展では「アウトドアブランドなど、フィラメントライクな商品に抵抗のあるアパレルに好評だった」(柴司スポーツ・衣料資材事業部長)という。

 吸汗速乾素材「フィールドセンサー秒乾」でもスパンデックス繊維「ライクラ」を混ぜ、ストレッチ性を加えた。アウター、アンダーに併用できる商品が市場で注目されていることから対応する素材として提案した。

 13秋冬向けに投入した「ライクラ」混のストレッチ織物素材「プライマリスト」は、主力のスキーやアウトドアパンツ用途に加え、ゴルフ用パンツや消臭機能を付加したスポーツアンダーウエア用素材も開発した。

 非スポーツ分野では、遮熱・遮光素材を使った洋傘での取り組みが予想以上の好調だったことから14春夏に本格販売を始めるほか、ビジネスウエアへの展開も拡大していく。

 市場全体では、今夏のクールビズ商戦は不振だったが、そのなかで「分母はまだ小さいものの、ビジネスウエア向け素材販売は「前年比で約2倍伸びた」(同)と順調だ。シャツを中心に顧客ごとに素材をアレンジする取り組みが奏功したことに加え、テストセールで行ったジャケットの展開も好調。スポーツ素材の活用分野として、今後も重視する。

 「2014春夏東レスポーツメッセージ展」は6日まで、東京本社25階で開いている。