繊維ニュース

環境新書/未来への挑戦/環境商材を評価する検査機関

2012年12月10日 (月曜日)

 検査機関は環境商材に対する評価試験を行う。4検査機関の対応を紹介する。

カケンテストセンター/評価が高まる機能性試験/情報収集・開発力が強み

 クールビズやウオームビズ、節電ビズなどを背景に機能繊維の存在感が高まるなか、カケンテストセンターでは各種の機能性試験で高い評価を得てきた。特殊な大型試験設備も保有することがカケンの特徴だ。

 吸汗速乾性試験や接触冷感性試験など各種の機能性試験で豊富な実績を持つカケン。最近では独自開発したカケン法による遮熱性試験の依頼も増加している。元々、日傘向けで普及した試験であり、カケン法は日本洋傘振興協議会のマーク認定試験にも採用されるなど評価が高い。温度センサーだけでなくサーモカメラでも遮熱性を測定する方法はカケン法独自のものであり、生地の色柄や織組織に左右されずに正確な測定ができる。最近では、やはりカケン法による吸湿発熱試験も依頼が増加している。

 大規模な特殊測定設備も保有する。一例が、気温50℃~マイナス10℃、湿度30%~80%を再現する環境試験室と歩行運動可能なサーマルマネキン。人間の運動時に衣類が発揮する涼感や保温性など快適性を測定することが可能だ。

 また、分析テストラボではアゾ染料試験や揮発性有機化合物(VOC)に関する化学分析試験も実施する。新たにドイツから試験方法と評価基準を導入してアレルゲン分散染料の分析試験も開始した。情報収集に力を入れることで大阪に設置している研究室を中心に新たな試験方法や装置をいち早く開発するところにカケンの強みがある。

ニッセンケン/エコテックス規格も/ウオームビズ試験に対応

 ニッセンケン品質評価センター(ニッセンケン)はウオームビズ、クールビズ関連の機能性評価試験を行う。また、「エコテックス規格100」の認証業務も行う。

 ウオームビズでは、保温、吸湿発熱、光蓄熱、遠赤外線放射加工などの評価試験に対応。クールビズ関連では吸水、速乾、通気性織り込み布、涼感加工(接触冷感試験など)について試験する。

 こうした環境負荷軽減型繊維は、消費市場で定着してきた。冬の寒さ、夏の暑さを緩和することで、エネルギー消費を少なくする商材だ。また、汗や臭いなどの処理は、快適性にもつながる。そうした商品の評価試験は商品の信頼性とともに、市場の信頼性を維持するうえでも欠かせない。

 また、ニッセンケンは芳香族アミンなど繊維製品の有害物質検査機関として、日本で唯一の国際認証を得ているエコテックス規格100のエコテックス事業所を中心に、日本国内の13事業所で、特定芳香族アミンの分析試験などの依頼を受け付けている。

 特定芳香族アミンの試験は国内だけでなく、中国の南通事業所、上海事業所、南通人民路事業所、さらにインドネシアのジャカルタラボでも対応する。トレーサビリティーやサプライチェーンの管理などが重視される時代に、安心・安全・快適性を追求するニッセンケンの役割は大きい。

ボーケン品質評価機構/安全を支える化学分析試験/上海でもアゾ染料試験

 近年、世界的に管理・規制体制が強化されているのが製品に含まれる化学物質。ボーケン品質評価機構では早くから化学分析試験に力を入れており、日本だけでなく上海機能性分析センターでも対応している。

 シックハウス症候群の原因物質として問題となるホルムアルデヒドや揮発性有機化合物(VOC)。ボーケンの化学分析センターでは建材や家具の「ホルムアルデヒド発散建築材料性能評価試験」や「ホルムアルデヒド・VOC放散速度試験」を実施している。とくにホルムアルデヒド発散建築材料は、建築基準法で国土交通大臣の認定を受けた指定性能評価機関による性能評価を受ける必要がある。ボーケンは、国交大臣認定の指定性能評価機関である。

 また、特定芳香族アミン類(アゾ染料)試験や鉛含有量測定試験、重金属溶出試験も実施。鉛含有量測定試験や重金属溶出試験にも対応することで、アクセサリー類を販売する際の試験にも対応できる。

 ボーケンのもう一つの特徴が海外拠点の充実。化学分析試験は、上海でも実施可能だ。さらに、東京でも化学分析試験を拡充する方向だ。11日から12日にはサンライズビル(大阪市中央区)でボーケン展示会も開催し、情報発信にも一段と力を入れる。

QTEC福井でカーテン断熱を/製品での評価にも注力

 日本繊維製品品質技術センター(QTEC)は、断熱性試験などエコ関連素材の機能試験を行っている。

 QTECによると、「福井試験センターには震災以来、カーテンの遮光だけでなく、断熱性についての試験依頼が急増した」という。インテリアや産業資材の試験依頼が多い福井試験センター。カーテンの断熱試験を行うため、専用室を設けて対応する。

 日射に対するカーテンの断熱(遮熱)性は、試験片に赤外線ランプを照射して測定。また、「生地で評価するだけでなく、実際の製品として評価する実用試験も行う」のが、QTECの特徴でもある。

 このため、専用の試験室を設置。提出資料(カーテン)を取り付け、晴天時日中または投光機による照射時の室温や直接部の温度測定も行う。また、保温性(断熱性)についても、冷却装置を付けた冷気槽と試験槽を設け、試験槽内の温度変化を測定する。同じように、暖房を使用した室内を想定し、冷気に対するカーテンなどの保温性を調べることもできる。

 さらに、ウオームビズ関連では、レフランプ法による蓄熱・保温性の評価、45度パラレル再放射法による遠赤外線放射特性の試験、サーモグラフィー評価などにも対応。クールビズでも、吸水速乾性、接触冷感、吸湿性の試験を行う。花粉付着性・リリース性も試験する。