東レ/超黒色ナイロン開発/原着細繊度、ソフト性も

2013年03月27日 (水曜日)

 東レは26日、超黒色ナイロン6長繊維「アミランBK」を開発し、2013年度から本格販売を始めると発表した。深みのある黒の発色とソフトな風合いを両立した素材特徴に加え、原着による染色不要など地球環境に配慮したナイロン長繊維としてタイツ用途を中心に投入。初年度100トン、3年後150トンの販売量を見込む。

 アミランBKは黒色顔料を使用した原着ナイロン6長繊維で、顔料が凝集しないように均一分散化することで、単糸を1・2デシテックス(T)クラスに細繊度化。さらに高速製糸技術を適用することで、仮撚り加工糸のバルキー性も向上、ソフトで心地良い肌触りも実現した。

 同社試験によると、タイツ編み地にした場合、通常の黒色ナイロンに比べて深色性は約10%向上するという。また、染色が不要なため、従来のナイロン製品に比べてCO2排出量を約12%低減できる。

 糸種は22T/10フィラメント(F)、33T/26F、56T/48F、78T/68Fの4品種をそろえる。価格は白糸に比べ20~50%高になるが「染色加工が不要なため製品価格では後染め品と変わらない」(三木憲一郎長繊維事業部長)と言う。

 すでに、アミランBKを使用したタイツをアツギが今秋冬物から発売するほか、数社で採用が決まっている。

 同社ではアミランBKをグリーンイノベーション製品の一つとして位置付け、地球環境に配慮したナイロン長繊維の基幹ブランドとして展開していく。