UTC竹歳社長/成長戦略に軸足移す/グローバルや顧客開拓で
2013年07月03日 (水曜日)
ユニチカトレーディング(UTC)の竹歳寛和社長は(1)グローバル化(2)新規顧客開拓(3)ユニチカ産業繊維とのシナジー――を課題に挙げ「成長戦略に軸足を移す」考えを改めて強調した。竹歳氏は6月28日付で社長に就任した。
同社は2009年10月、ユニチカの繊維事業会社4社を統合し発足。衣料繊維の構造改革を完了し、前3月期は減収ながら営業・経常・純利益で最高益を達成するなど好業績を上げた。
今後は選択と集中により減少が続いた売上高の回復に取り組む。しかし、「国内での増収は見込みにくい」として、グローバル展開を強化する。8月末をめどにベトナム商事子会社を設立するほか、インドネシアの紡織加工子会社であるユニテックスとの連携も推進する。
UTC設立当初はユニテックスへの発注はなかったが、現在ではユニフォームの生機生産からスタートし、複重層紡績糸“パルパー”生産のほか、スポーツウエア、婦人服、寝装など「全部署が発注しており、ユニテックスの3割がUTCからの発注になっている」までに変わった。
現在は縫製OEMも含めた対日用だが、将来的にはインドネシア内販も計画する。また、ユニテックス生産品だけでは多様なニーズに対応しきれないことから、インドネシアで商事子会社の設立も検討する。
中国は北京子会社やユニチカの上海子会社を通じ、白衣など特殊機能を持つユニフォームを手始めに内販を強化する。
国内販売も「既存顧客向けは維持するのが精いっぱいだが、まだまだ開拓できていない需要家はある」と強調。「長繊維、短繊維の両方を持ち、量やコスト追求型ではなく、ハンドメードに近いモノ作り」という開発力を生かして新規顧客の開拓に取り組む。
また、苦戦する本体の産業繊維との「シナジーも追求していく」考えも示した。