帝人 縦型不織布を使用/ポリエステル天井材開発
2013年08月01日 (木曜日)
帝人は、ポリエステル製の縦型不織布「V―Lap」を使用した建築構造物向け天井材を開発した。従来の石工ボードに比べて重さが約10分の1と軽量で「安全な天井材」として、学校の体育館や工場向けの開拓を図る。
建築構造物では一般につり天井が使用されているが、東日本大震災時などに天井の落下事故で人的・物的被害が相次いだことを受け、2014年4月に施行される改正建築基準法施行令に、新たに天井の脱落防止措置に関する条項が付加される。より安全な天井を使用することが求められており、1000億円とされる天井材市場で新たな需要が見込まれる。
帝人の天井材は、V―Lapに不燃加工を施し、V―Lapをガラス繊維で挟み込み、プレス加工してボード状にした。建築基準法の規定に基づく不燃材料として国土交通大臣の認定を取得した難燃性、断熱性、社内データで石工ボードと比べて1・5倍の吸音性などが特徴。軽量で柔らかいため、天井が落下した場合でも被害を軽減できる。
V―Lapは自動車の吸音材や寝具用のクッション材などで展開し、次世代住宅用断熱材の開発も進んでいる。
市場開拓は、鋼製下地材メーカーとして最大手の桐井製作所(東京都千代田区)と共同で進める。
開発した天井材は8、9日に仙台市で開かれる「震災対策技術展」に出展する。