帝人フロンティア/タイのTNI設備更新へ/スポーツ、カジュアル強化
2013年12月05日 (木曜日)
帝人フロンティアの長川研一繊維素材部門長は、2013年上期(4~9月)に伸び悩んだタイのタイ・ナムシリ・インターテックス(TNI)について「通期黒字化を目指す。来期中に設備投資を決定し、(新設備の)稼働を目指す」との方針を示した。
TNIの月産生産能力は現在、織布が1万8000反、染色が2万反。婦人服向けの厚地を得意としてきたが、ここ数年苦戦していた。設備投資は通期の実績を踏まえたうえで判断する。織布、染色の両設備に投資予定で、既存織機の一部を整理し、ウオータージェット織機を新たに導入することで、スポーツやカジュアル向け生地を強化する。長川繊維素材部門長は「アセアンに生産拠点を持っていることは強み。TNIの生産設備を増強していく」と話す。
中国の南通帝人は今上期、中国の景気減速の影響を受けて約6割を占める中国内販向けが落ち込んだ。下期は、採算が改善して上向き傾向の厚地織物について、南通帝人の実生産4000反に、外注2000反を合わせて月産6000反で展開を図る。また中国のユニフォーム向けは約1万3000反ほどあるが、中国内販ビジネスを拡大し、来期は倍増を目指す。
繊維素材部門の13年上期は増収増益。スポーツ向けでアセアンの生産を絡めたオペレーションが奏功したほか、糸販売はカーテンなどインテリア用途で伸張し、テキスタイルが欧州向けで拡販した。下期はTNIが欧州大手スポーツアパレルの認定工場を狙うほか、国内の生産調整が響いて上期に伸び悩んだユニフォーム向けは「攻めに転じる」ため、若手社員の活用を進める。