抗ウイルスも最終段階へ/大阪で国際会議を開催/国際標準化機構

2013年12月10日 (火曜日)

 国際標準化機構(ISO)で繊維製品のISO規格案を討議・策定する第38技術委員会23作業部会(TC38/TW23)は5日と6日の2日間、大阪で国際会議を開催し、日本から提案している消臭性試験方法や抗ウイルス性試験方法のISO原案を討議した。会議には日本、中国、韓国、フランスから専門委員が参加。討議の結果、消臭性試験方法と抗ウイルス性試験方法ともに早ければ来年中にもISO規格として発効する公算が高まるなど最終段階に入った。

 TC38/TW23の大阪国際会議は、徳島大学の高麗寛紀名誉教授が議長を務め、専門委員として日本からは立命館大学理工学部の樋口能士教授、バイオメディカルサイエンス研究会の吉澤重克理事、日本繊維製品品質技術センターの射本康夫氏、住江織物の下村行徳氏、島津製作所の喜多純一氏、中国からは中国紡織科学院の鄭宇英氏と韓笑氏、韓国からはFITI試験研究院のコ・ヒュンジン氏とチャン・ギャプシン氏、フランスからはフランス繊維アパレル研究所(IFTH)のローラン・ウイヨン氏が参加した。

 国際会議事務局はTC38国際幹事を務める繊維評価技術協議会(繊技協)の田澤壽理事のほか、繊技協の須曽紀光理事、越智清一氏、野村健二氏が務め、オブザーバーとしてボーケン品質評価機構とカケンテストセンターに加え、本社ダイセン(繊維ニュース)も参加した。

 会議では2日間にわたって主に日本などからISO提案している消臭性試験方法と抗ウイルス性試験方法のISO原案について討議。このうち消臭性試験方法はパート1「消臭概論」、パート2「検知管法」、パート3「GS法」に関しては合意に達したことから、早ければ来年3月ごろにはISO規格として発効する見通しだ。パート4「濃縮試験方法」、パート5「金属酸化物半導体試験方法」に関しては継続審議する。

 抗ウイルス性試験方法の原案に関してはフランスから一部反対コメントが提出されていたことから、今回の大阪国際会議でフランスのコメントに対する討議を行い、こちらもほぼ合意に達した。抗ウイルス性試験方法は今後、原案を一部修正した最終原案を採択した後、こちらも早ければ来年中にISO規格として発効する公算となるなど、最終段階に入った。