ジーンズ別冊14春夏/三備賛歌/変わる流通構造に仕掛ける!

2014年03月25日 (火曜日)

 ジーンズの流通構造が変わるなか、三備地区の各企業は、生き残りをかけ、これまでとは違った方向に突き進もうとしている。なんといっても三備地区の強みはモノ作りの基盤がしっかりあるということ。円安や国内生産への回帰といった追い風を受け、新しいことにも積極的に挑む。

テキスタイルメーカー/再び世界で存在感増す/“ジャパンデニム”

 一昨年からジーンズへのトレンド回帰を期待されながらも、厳しい環境が続いてきたテキスタイルメーカー。年明け以降再び少しずつ明るい話が出てきているが、国内市場よりもやはり円安を受けて拡大する輸出の方がまだまだ堅調なメーカーが多い。

 カイハラ(広島県福山市)は米国向けを中心に輸出が前期に比べ3割も増加した。「米国の取引先を回ると、95%の企業がデニムの取扱量で前年を上回っている」(貝原淳之常務)状況で、とくにセルビッチは「半年先まで受注が埋まっている」という。合繊による機能性デニムも「ここに来てようやく興味を持たれ始め、海外市場でも商品を受け入れる雰囲気が出てきた」。新商品開発プロジェクトチームによる素材開発が進むが、「市場性を見極めるとともに、マーケティング、プロモーションが一体となったオペレーションを心掛ける」ことで、より効果的な市場開拓を模索する。

 2月にパリで開かれた「プルミエール・ヴィジョン」(PV)では、三備地区からクロキ(岡山県井原市)、日本綿布(同)、ショーワ(岡山県倉敷市)が出展。“ジャパンデニム”の存在を示した。

 クロキはPVが日本に出展門戸を開いてからずっと出展し続け、リピーターを中心に熱心な欧州ブランドのバイヤーが詰めかけた。「PV出展以来、一度も前年実績を下回ったことがない」(黒木立志社長)というように、為替に関係なく輸出を拡大してきた。円安とはいえ、輸送費がトルコ勢などとの競合に不利な状況にあるが、「維持拡大を図っていきたい」と前向きな姿勢を崩さない。

 日本綿布も顧客対応に追われるほどブースが盛況。欧州ではイタリアやフランスでの販売が拡大しており、1月には川井眞治社長自ら米国に出張し、著名ブランドなど35社を回っていたこともあり、とりわけ米国向けの伸びが顕著だという。

 ショーワは今回、双糸や三子糸、4本撚り糸など細番手糸を使ったきれいめデニムの訴求に力を注ぎ、好評だった。輸出は円安を背景に回復基調に乗っており、今後は「米国向けの拡大のためにもこれまでのような高級ゾーンだけでなく、数量を追うような開発、提案も必要」(片山恵美子副会長)と、ロット拡大を当面の目標に据える。今回からテキスタイルを価格帯の高い順に「brilliant」「Premier」「standard」「farm」に分類、顧客に応じて提案しやすい仕組みも作った。

 欧米で日本のデニムが高い評価を受ける理由として、軟水で染めたインディゴ糸が欧米でなかなか見られないものであり、その深みのある色表現や日本の強みである品質安定性、匠の技術を持つことなどがある。トルコや東欧勢と比べて価格面での不利な点は否めないが、多くのバイヤーたちは、日本のデニムに価格以上の価値があることを認めているようだ。

 一方で人件費の高騰や政情の不安定、円安から国内生産を見直す動きもある。そういった動きに対応していくためにも、今のうちから設備投資しておこうという機運も高まっている。篠原テキスタイル(福山市)は、2月にエアジェット(AJ)織機1台を増設した。昨年にはAJ織機2台を最新型に入れ替えており、開発を多面的にしていくことでテキスタイルの自販を強め、得意とする「テンセル」デニムをはじめ「もっと様々なモノ作りにチャレンジする」考えだ。

 フル稼働が続く日本綿布も昨年、サイジング設備を更新、それに伴い古くなっていたクッカーなどサイジングの周辺設備も入れ替えた。今後レピア織機など新しい織機の増設も検討する。

国内生産の優位性、見つめなおす/日本アパレル生産ネットワーク設立へ

「日本のモノ作りの機能がこのままでは無くなってしまう」――そういった危機感を背景に昨年10月、日本アパレル生産ネットワーク(=NAP、岡山市)が生産機能を連携させ、ジーンズカジュアル製品を中心に受注するシステムを構築した。洗い加工関連、ニッセン(岡山県倉敷市)の代表も務めるNAPの角南功治代表は「国内生産の優位性に目を向けてもらい、国内繊維産業の活性化を図りたい」と、設立の狙いを述べる。

 近年、生産は中国をはじめ、東南アジアへのシフトを受け、国内の基盤が縮小し、国内製造業の疲弊が進む一方だった。その現状を踏まえ、国内製造業の在り方を問い直し、減少に即応した国内生産の仕組みを構築する。

 現在受注会員として縫製工場11社、加工仕上げ・検査工場4社、パターン1社、刺繍・プリント2社、素材・付属品2社、企画など2社の22社に加え、発注者側の商社2社を合わせて24社が加盟。参加企業は三備産地に限らず、山口県や島根県の縫製工場も含まれ、将来的には日本全国からも参加企業を集める。

 仕組みとしては、商社や小売業、アパレルなどの発注側がNAPの開設するホームページにアクセスし、会員が閲覧可能なユーザー画面に納期や数量、単価、アイテムなどのオーダーを書き込む。生産側はその情報を見て、受注が可能であれば、商談を進めることができる。受注側はこれらの情報を必要なものだけ随時、携帯電話やスマートフォンのメールで受信でき、一度商談に入れば他社が割り込むことはできない。

 ロットは基準を決めていないが、パンツで100~500本単位が多く、平均約300本を見込んでおり、サンプル試作なども発注することができる。当面はジーンズカジュアルの布帛製品を中心に運営する。

 基本的に会費は月3000円で、取引額の3%が手数料となる。技術経営者や工場管理経験者、企画・デザインなどの人材バンク的な機能も将来的に構築。アドバイザーとして税理士や経営アドバイザー、司法書士などに相談ができる仕組みも設け、問題が生じた場合にもそなえる。

 角南代表は「アパレルや小売りなど発注者側は、国内生産などどこでもできるという意識をまだまだ持っている面があり、近未来には生産機能が全く無くなるという可能性を想定していない」と、指摘する。さらに「国内生産が無くなれば、海外の生産管理にも影響を及ぼしてくる」と危機感を募らす。会員を増やしながら、「国内のサプライチェーンを構築し、発注側と受注側双方がウイン・ウインの関係を築けていければ」と、今後3年間で事業を軌道に乗せる。

洗い加工・仕上げ加工/製品ビジネスと結びつく洗い加工

 かつてはジーンズカジュアル市場に影響力があったナショナルブランド(NB)が主導権を失いつつあるなか、洗い加工もまた、2009年に共和(倉敷市)が、12年に吉田染工(同)が自己破産するなど、加工量の減少から苦戦を強いられてきた。プレミアムジーンズのブームの終焉によって、年々加工量が減っていくなかで、製品ビジネスと結びつき、活路を見いだそうとする動きが強まる。

 西江デニム(岡山県井原市)は、国内生産で高価格帯のブランド向けの小ロットに対応、縫製品から製品染めまでの一貫が可能な中国合弁の西江服装後整理嘉興(浙江省平湖市)を活用した生産でリーズナブルな商品で中~大ロットに対応する。最近、新興ブランドとの取り組みが増え、「取引していた当初は1000本単位だったのが、今では10万本単位になっている」(西江誠専務)ほどだ。

 好調な背景にはやはり縫製から洗い加工によって蓄積したノウハウがあるためだ。専門小売チェーンとの取引では中国生産でリーズナブルな価格帯のジーンズを、日本生産で数店舗限定販売の高価格帯のセルビッチジーンズを供給というような、国内外の生産拠点の使い分けとともに、「新商品を投入しようとする動き」をしっかりとらえてトレンドに沿った企画提案で市場開拓を進める。

 豊和(倉敷市)は今年、消費増税の反動とともに、取引先の動向から「環境が厳しくなる」(田代豊雄社長)と予想しており、「これまでの体制を方向転換する」考え。その一環で、市場の構造変化によって卸売が疲弊し、SPAが台頭して製品供給を求められる傾向が強まるなかで、児島地区の縫製工場との連携を模索し、工場にCADやCAM、「ホールガーメント」の設備を導入するなど、縫製ビジネスの可能性を追求している。

 1月22~24日に東京で開かれた「ファッションビジネス・ソリューション・フェア」では、ジーンズやアウターなど製品約500点を披露。なかでもケミカル加工によって表面だけ脱色させたインディゴのホールガーメント製品が好評で、ホールガーメントや編み立て縫製に関わる設備投資も検討。将来的にサンプル製品だけを置いたショップを作る構想も持つ。

 2011年に買収した米国の洗い加工場、ホーワ・デニムテックは、日本からオゾン脱色機やレーザー加工機など最新設備を導入するとともに、コストや納期、品質など日本の管理技術を取り込むことで、市場での競争力を強化してきた。200㌦前後のジーンズを販売する現地ブランドを中心にOEMによる受注が軌道に乗りつつあり、「日本クオリティーによる“メードインUSA”が認識されてきた」ことから、今後は日本企業からの受注も広げる。

 2011年に洗い加工業に参入したフーヴァル(倉敷市)は岡山市内にある縫製工場を活用したOEMビジネスにも力を入れ、現状のジーンズ生産量は月間2000本ほどだが、年内にも4000本まで増やす。東京にショールームを兼ねた事務所を開設し、営業マンを配置、デザイナーブランドなどとの取引拡大に弾みを付ける。

 ジーンズの仕上げ加工の美東(倉敷市)も縫製工場を持ち、縫製から仕上げ加工まで一貫体制を敷く。OEMを中心とした縫製は現状、月間の生産量が1000本と少ないが、従業員は日本人のみで「こだわり抜いたモノ作り」(新谷順一社長)を貫く。今年2月には、美観地区に続いて児島ジーンズストリートに、カジュアル衣料の直営店「コジママーケットプレイス」をオープン。オリジナルブランド「KMP」のジーンズやウエア、カバンなどそろえ、ほとんどが“児島製”であることから、マニアを中心に売れ行きも順調だ。

 フーヴァルと美東は連携した取り組みも多く、岡山県美作市のお茶農園から廃棄されたお茶を利用した「茶染め」のデニムを開発している。美東が主体となり、岡山市内の百貨店でバレンタインデーに合わせて「お茶染めのカードケース」とチョコレートのセットを販売するなど、面白い試みが増えている。

角南染工場/一旦廃業を決めながらも、事業再開へ「まさに奇跡のような話」

 これまで産地では有力とまで言われていた染工場でさえ、廃業や倒産するケースが続いていた。児島地区でも2007年に畑山染工場が、08年にタカイワ染工が相次いで廃業。今年2月には洲脇染工が廃業した。しかし、そんな厳しい環境にあるなかでも、角南染工場は、昨年11月廃業を一旦決定したものの、12月末に再び事業の継続を決めるという珍しい変遷をたどった。

 その背景には角南染工場でしかできない「ダスティー加工」や「スプレンダー加工」の技術を持っているためだ。ダスティー加工は表面にムラがあり、味のある風合いが特徴。スプレンダー加工は裏地が無地にもかかわらず、表地が霜降りのような鮮やかな表情を持つ生地に仕上がる。

 実際、その加工による生地が商社やテキスタイルコンバーターを通じて欧州のブランドメゾンへ輸出されており、「やめてもらっては困る」という連絡が、一旦廃業を決めた角南染工場のもとに相次いだ。

 なかには「加工料金を先払いするし、これまでの倍払う」といった申し出もあり、結果的に工場がフル稼働。12月の加工量は前年同期に比べ倍増し、久しぶりの黒字となった。商社が主導し、設備を移転して他社で加工を存続していくことも検討されたが、結局難しいと判断された。

 何とか存続を望む商社の仲立ちによって、山陽染工(広島県福山市)の支援を受ける形となり、廃業を撤回し、事業の継続を決定した。解雇を通知していた従業員21人も再雇用という形で全員が残ることになった。

 角南社長はこの数カ月間を振り返り「まさに奇跡のような話」と話す。今後、プリントや抜染などの技術を持つ山陽染工と加工技術の開発も進め、新たな取引先の開拓にも取り組むという。

 このような角南染工場の事例は相当珍しいが、染工場のなかには工場用水や土地の問題などがあって廃業したくてもできないケースもある。繊維産業のなかでも「キーインダストリー」といわれ、特有の技術を持ちながらも染料や燃料の高騰で慢性的な赤字体質から抜けきれない染工場も多い。

 全国を見ても染工場の数はどんどん減ってきている。「気づいたときには染工場がなかった」というようなことにならないためにも、取引先としても適正な加工料金で発注していかなければならない。

OEM/ジーンズメーカー/“極み”で新たな市場切り開く

 三備地区のジーンズメーカーは、新ブランドを立ち上げるなどで、新たな市場を開拓しようとする動きが加速する。ベティスミス(岡山県倉敷市)では、ジーンズの市況が低調で厳しい環境ではあるものの、「マンネリ化を防ぎ、作り方、売り方を変えていかなくてはいけない」(大島康弘社長)との考えから、シルエットやはき心地を重視した40代以上向けのジーンズの新ブランド「倉敷デニム」を投入し、市場の活性化を狙う。相変わらずトレンドが定まらない状況のなか、「ターゲットをはっきりさせて、提案していく必要性がある」との認識で、引き続き新たなブランドも立ち上げる。

 「桃太郎ジーンズ」「ジャパンブルー」を展開するジャパンブルーグループ(倉敷市)も、テキスタイル販売のコレクト(同)からオリジナル製品ブランド「SOULIVE(ソウライブ)」を打ち出した。これまでテキスタイルを取り扱ってきた経験を生かし「ボトムスよりもトップスを中心とした品ぞろえで、トリックアートや擬似的なアートをデザインに取り込んだ」(田中正人常務)ことに加え、「今あるインディゴ製品にはない商品作りを進め、インディゴにプラスアルファの価値観を追求した」という。児島ジーンズストリートに直営店舗「BLUXE(ブリュックス)」もオープン。桃太郎ジーンズなどとは違うテーストで新たな客層へ広げる。

 リーズナブルな価格帯を軸に多ブランド化戦略を進めてきたコダマコーポレーション(広島県福山市)は今期から「専門店事業部」を設置し、首都圏の専門店やセレクトショップ、SPAを中心に販路を開拓している。イタリア・フィレンツェのセレクトショップブランド「Moda Prinncipe(モーダプリンチペ)」や、ジーンズブランド「URBAN CRAFT(アーバンクラフト)」といった価格帯の高いブランドを販促するほか、ODM(相手先ブランドによる設計・生産)にも対応。企画から商品開発、生産まで「事業部だけ完結できる」体制を組むことで、顧客にとっての利便性を高める。

 OEMのニイヨンイチ(倉敷市)は、4月初旬に岡山市の商業スポットである問屋町にボトム専門店「ニイヨンイチ ボトムプラント」を立ち上げる。あらゆる種類のカジュアルボトムをそろえるとともに、リメークなど加工対応も店舗でできるような工夫を凝らし、「20年間ボトムを作ってきた“専門性”をいかんなく発揮する」(藤井英一社長)考えだ。

 店頭には同社が昨年秋から展開するメンズカジュアルブランド「DENItrip(デニトリップ)」とデザイナーズレディースブランド「CHELSEA GARB(チェルシーガーヴ)」や、別会社ウィン&サンズ(倉敷市)で展開してきた「DELAY(ディレイ)」といったブランドもそろえる。リジナルブランドでは1品番につき、カラーを12色そろえるなど、ボトム生産に強みを持つメーカーならではの品ぞろえを意識。ベルトや靴下なども販売するが、トップスはTシャツ程度を扱うにとどめ、あくまでもボトムに特化した店舗としてイメージ定着を進める。

 ビッグジョン(倉敷市)は昨年9月、カナダの新興ジーンズブランド「Naked & Famous Denim(ネイキッド&フェイマスデニム)」や、米国ワークウエアブランド「RED KAP(レッドキャップ)」の事業会社と契約を結んだ。「ビッグジョンブランドだけでは開拓が難しい新たなスタイルのショップへも販路を広げる」(水玉竹則取締役管理本部長)狙いがある。

海外市場も積極的に挑む

 ジャパンブルーグループは、桃太郎ジーンズなど販売する藍布屋(倉敷市)が欧米やアジア向け輸出の拡大で、売り上げを前期比約40%も伸ばした。昨年8月にタイに事務所を開き、テキスタイル、製品ブランドの両面からアジア市場への開拓を推進。「富裕層が増えてきており、日本の70~80年代に近い感じになってきた」(洲脇將宏副社長)と、アジア市場の広がりに期待する。

 コダマコーポレーションも「東南アジアで富裕層が増え、価格帯が高いジーンズでも十分商機を見込める状況になってきた」(畠山社長)ことから、昨年、マレーシアに現地法人を置き、早期にインドネシアにも拠点を設けるなど、メンズを主体に次の一手を打つ。

 ドミンゴ(岡山県倉敷市)は、OEM製品ビジネスの売り上げが前期比2割増と健闘しているが、なかでも海外からの引き合いが円安で増える傾向にある。韓国の小売りとはメンズの「SPELLBOUND(スペルバウンド)」でダブルネームによる商品を供給したほか、カナダのブランドへもOEMで製品を供給するなど、堅調な広がりを見せる。「価格が高くても品質の高さを優先し、発注するケースもある」(三谷慎哉統括本部長)ことから、モノ作りの体制をしっかり強化しながら、事業拡大を進める。

 OEMの青木被服(岡山県井原市)が展開するロンドンファッションのモッズスタイルを意識したハイエンドブランド「FAGASSENT(ファガッセン)は海外市場の開拓が先行し、すでに英国やフランス、イタリア、レバノン、米国のショップへ販売。売上高の6割は海外で占め、今年もパリコレクションのシーズンにパリのギャラリーで展示会を開き、ブランドとしては初のレディースも投入する。

 ボブソンホールディングス(岡山市)は、フィリピンのアパレルメーカーと、「Bobson(ボブソン)」ブランドのライセンス契約を結び、フィリピンでの市場開拓に乗り出している。高級プレミアムジーンズとして中間所得者以上である25~35歳の男女を対象に両社が共同で開発。百貨店やモールなどへ毎年10~20店舗前後の出店を計画する。

「ジーンズソムリエ」401人が合格

 ジーンズマーケットの活性化を目指すジーンズソムリエプロジェクト(岡山県アパレル工業組合・倉敷ファッションセンター主催)は今年1月23日、倉敷ファッションセンター(岡山県倉敷市)で第1回認定証授与式を開いた。合格者401人のうち、全国から160人が出席した。

 「ジーンズタウンである児島をぜひ楽しんでほしい」と冒頭にあいさつした大島康弘委員長(ベティスミス社長)。今後は取り組みを一段とレベルアップし、企業研修での活用や「世界に広めることもトライしたい」と述べた。

 授与式では合格者を代表して3人が、倉敷アパレル工業組合の河合秀文理事長(明石被服興業社長)から認定証を受けた。そのなかの一人で、百貨店に勤める上小倉優さんは「問題は専門的で難しかっただけに合格できてとてもうれしい」と述べるとともに、「専門知識を持って、よりお客さんにジーンズの良さを伝えることができ、仕事に生かしていきたい」と、喜びを表した。

 午後からのツアーでは織布のショーワと、ジーンズメーカーのベティスミス、洗い加工の豊和の工場をツアーで見学。ツアー参加者の希望が多かったため、抽選で漏れた人を中心に2月20日にもツアーを追加開催したほどだ。

 ジーンズソムリエは今年も認定を継続し、11月19日に東京、大阪、岡山の3会場で試験を実施する予定になっている。