クラボウの複合材料事業/自己強化型で成果/採用進む「ネオマテックス」
2014年03月31日 (月曜日)
クラボウの複合材料事業の商品開発が、徐々にだが成果を上げ始めた。基材とマトリックス材ともに有機系素材を使用した自己強化型複合材料で開発が加速しており、繊維強化熱可塑性複合材「ネオマテックス」の実用分野での採用も進んでいる。
クラボウは2012年に企画室に複合材事業化グループを設置し、繊維強化複合材料分野への参入を強化してきた。基材となる繊維織・編み物、マトリックス材として使う樹脂ともに繊維事業と化成品事業で取り扱ってきた実績と技術を融合し、汎用性のある中間材料としての複合材料の開発と販売を進める戦略だ。安城工場に多軸挿入機や積極レピア織機、連続式熱プレス機(ダブルベルトプレス機)を設置して開発を進めている。
なかでも力を入れているのが基材とマトリックス材ともにポリプロピレン(PP)など有機系素材を使用した自己強化型複合材料。ガラス繊維や炭素繊維など無機系素材を使用した複合材料と比べてリサイクルなど処理も容易で汎用性が高いのが特徴だ。こうした観点から12年に発表したのが繊維強化熱可塑性複合材「ネオマテックス」。熱可塑性のマトリックス樹脂(PP、ポリエチレン、ナイロン、ポリエステルなど)を使用することで軽量・高強度・高弾性に加え短時間で様々な形状に成形できるため生産性が高い。
成形品の物性や形状に合わせてファブリック、シート、サンドイッチパネルの3タイプを用意する。岐阜プラスチック工業のハニカム構造体「テクセル」をネオマテックスでサンドイッチした「ネオマテックス―SW」「テクセル―FB」も共同開発した。電機、流通資材など様々な用途から引き合いが寄せられている。採用に向けた商談も進行中で、早ければ今年秋には市場に登場する見通しだ。
一方、ネオマテックス以外に開発も進む。その一つがクラレと共同開発しているポリエーテルイミド(PEI)のプリフォーム材。耐熱性・難燃性などに優れる次世代エンプラとして注目されるPEIの機能紙をクラレが開発したが、通常状態では肉厚のため加工・成形性に課題がある。そこでクラボウが独自ノウハウで樹脂複合や熱プレスすることでPEIシート材を開発することに成功した。3月にパリで開催された風剛材料展「JECヨーロッパ2014」にクラボウとクラレがともに出展し、それぞれPEIシート材を披露して注目された。
複合材事業化グループでは、引き続き複合材料商品の開発を進める。現在はマトリックス材には汎用樹脂を使用しているが、将来的には化成品事業部が取り組むスーパーエンプラの活用も検討する。また、市場開拓にも力を入れ、4月16日から18日まで東京ビッグサイトで開かれる「第5回高機能フィルム展(フィルムテックジャパン)」にも化成品事業部とともに出展し、ネオマテックスやPEIシート材などを提案する。